氷原
半魚人達は殿を置いて逃げ出していた。
「イソゲェ!!カワニモドレバオヨイデニゲレル!!」
半魚人達の強みは水の中ではまさに魚の如くに素早く泳げるという事だ。
水の中ならばまさに水を得た魚、 彼等に追い付ける者は居ない。
「コ、コレハ!!」
「ドウシタ!?ナゼタチドマッテイル!?」
半魚人達は自分の眼前の光景を理解出来なかった。
川が凍っている。
「コ、コレハ・・・マサカ・・・」
「先回りして正解だった様ね」
ラビーが現れた。
「アカイマジョ!!ナンデオマエガココニ!!」
「色々訳アリなのよ、 それよりも逃げなくて良いの?」
「!!」
亜人騎士達が追いかけて来た。
「クッ!!」
半魚人達は凍った川の上を走る、 だが
「ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア」
半魚人の体は基本的に濡れている、 そんな体で氷の上を歩けば凍り付いてしまうのだ。
ラビーも冷気を上げているので見る見る内に半魚人達は凍り付いて行く。
「て、 店長・・・」
「さぁ皆さん、 早くトドメを」
「あ、 あぁ!! 分かった!!」
亜人騎士と漁師達が共同で凍り付いた半魚人達を次々とトドメを刺していく。
最早戦いでは無く単なる作業である。
「これで全部か?」
「ですね、 御疲れ様でした」
凍り付いた半魚人達を解凍するラビー。
「人間の娘よ、 助かったぞ」
網元がラビーに礼を言う。
「いえいえ、 大した事無いですよ」
「こんなに大規模な魔法を使って大した事無い?」
「旦那、 その人は嘘は吐いて無いですよ」
タコつぼの漁師が言う。
「そうか・・・お前が言うならそうだろうが・・・」
「この魚貰って良いです?」
「何に使うんだ?」
「食べます」
「「「食べる!?」」」
騎士も漁師も吃驚である。
「いやいや、 アンタは半魚人共を倒すを手伝ってくれたんだ
そんな外道なんて喰わなくてももっと良いの有るぞ、 マグロとか」
「川でマグロ?」
「ここら辺では川でもマグロは泳いでいるんだよ、 刺身を作ろうじゃないか
騎士の皆さんも如何です?」
「いただきます」
「いや、 戦いに来たのに悠長な事は出来ん」
「喰える時に喰わないと何時食えるか分からんですよ?
一応見張りも居ますし」
「それもそうか・・・」
「やっと魚が食べられるぅ」
テンションが上がるラビーだった。
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