閑話 野良でぶ妖精の食生活

カランコロン。


「今日も色々集めて来たにょ―」


ラビーの店に野良でぶ妖精達がスパイスを色々持って来た。

様々な種類の唐辛子を初め山椒等も有った。


「何時もありがとうね、 これは報酬のわらび餅と黒蜜」

「わぁい」


大量のわらび餅と黒蜜に狂喜乱舞するでぶ妖精達。

わらび餅と言っても片栗粉で簡単に出来るタイプの物で

手軽なので良く作っている。

でぶ妖精達はその場でもちもち食べ始めた。


「そういえば野良でぶ妖精って普段何食べてるの?」

「にょ?」

「私が来る前はこの赤の森で生活していたんでしょ? 普段は何を食べてたの?

唐辛子だけ食べていたって訳じゃないでしょ?」

「にょにょにょ、 おでぶちゃんを舐めて貰っては困る

ちゃんと色々と栄養は取っている」

「例えば?」

「例えば地面に埋まって地面から栄養を取ったり」

「植物の栄養の取り方!?」

「日の光を浴びて光合成をしたり」

「割と植物よりなの? でぶ妖精って?」

「訓練したでぶ妖精ならば地面に埋まっているだけでぼけーと出来る生活を送れる」

「じゃあ植物の様に暮らしていたって事?」


体を横に振るでぶ妖精。


「うにゅ、 一部のでぶ妖精はね、 動くのも面倒なでぶ妖精はそうしてるよ

お腹ぺこぺこな多くのでぶ妖精達はちゃんと御飯食べてるよ」

「だから何を食べてるか気になるんだけど」

「きのことか苔とか草とか唐辛子とか」

「きのこあるの? この森」

「うにゅ、 アミガサタケとかシャグマアミガサタケとか

ツルタケとかベニテングダケとかヒトヨタケとかホテイシメジとか

人間さんが食べたら偉い事になるから食べない方が良いよ

と言うかおでぶちゃんのごはんだから取らないでね」


でぶ妖精には毒なんて物は通用しない。


「ベニテングダケは美味しいって聞いた事あるけどねぇ・・・

普通に食べられるのが少し羨ましいかも、 どうせ死にはしないし食べて見ようか」

「駄目なにょー」


ぷんすかと怒るでぶ妖精。


「冗談よ、 流石に毒きのこは食べないわ

おでぶちゃんもほいほい食べちゃ駄目だよ、 お腹壊しちゃうかもだし」

「そんなことないもん、 ぷくー」


膨れるでぶ妖精を掴んでぷにぷにするラビーであった。

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