閑話 飲み会

ダイナー【カノウモビックリミトキハニドビックリササキリモドキ】

亜人達の中でも昔からあるダイナーで初代店主が

店が長く繁盛する様に長い虫の名前を付けたのが名前の由来である。

店は1000年以上続いている、 店主は何度も代わっているが

それでも親しまれるダイナーである。

現在の店主は秤の料理人で、 それなりに拘りを持って店を切り盛りしている。


「4卓の御客さん、 フライドポテトとポテトフライとハッシュポテト揚がりました」

「おー」


ウェイトレスが居ないので客が自分で店主の元から運んで来るシステムである。

ファーストフード店と同じシステムと言えば分かり易いか。


「5卓の団体さん

マカロニチーズとオニオンリングとピザとビール4つ上がりましたー」

「はーい」


料理人から料理を受取る旗の騎士。

今日はこのダイナーで料理を食べる様だ。

卓に居る同僚の盾と剣と上司の勲章の騎士の元にカートに乗せて持って行った。


「今日は私の奢りだ、 好きに飲んでくれ」

「「「あざーっす!!」」」


上の者が奢るのは騎士団では常識である。


「じゃあカンパーイ!!」

「「「カンパーイ!!」」」


ビールジョッキを打ち鳴らす四人。


「かあああああああああ、 いやぁ生き返るぅ」

「飲むの早ッ、 大丈夫か?」

「はっは、 私も新入りの頃はガンガン飲んだ物だ

さて料理の方を頂くか」


勲章の騎士がマカロニチーズをかきこむ。


「・・・・・ふむ」

「どうしました?」

「少し味付けが変わったな」

「どれどれ・・・」


他の騎士達もマカロニチーズを食べる。


「・・・ちょっと塩っ辛くなった?」

「胡椒が強くなってるな、 まぁ旨いから良しとしましょうか」

「うーん、 女将さんのと比べるとなぁ・・・」

「盾の、 お前、 あの女将さんに惚れてんじゃないのかぁ?」

「いや、 料理が旨いから」

「それってもう結婚したいって言ってるようなもんじゃーん」

「そうかぁ?」

「おいピザもう無くなったぞ」

「マジで遠慮が無いなお前等

上司が一切れも喰って無いのに全部喰うって気でも違っているのか」

「そこまで言われるとは思わなかった、 じゃあまた注文して来ますよ

ビールも無くなったし」

「後唐揚げも注文してこい」


げらげらげらと馬鹿話をしながら酒を飲み交わして夜は過ぎていくのだった。

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