盾の騎士への相談

「カッー!! やっぱりここの食い物は旨い!!」


がっつがっつと盾の騎士が唐揚げを食する。


「この二種類の唐揚げ!! 良く考えられている!!」


盾の騎士が食べている唐揚げは二種類。

一つ目は普通の唐揚げに辛いソースがかかっているタイプ。

もう一つは普通に辛い唐揚げである。


「どっちも違う感覚で御飯が進むなぁ!!」

「そう言って貰えて嬉しいです」


ニコニコと笑うラビー。

ラビーは盾の騎士の対面の席に腰かけた。


「これ、 店からのサービスです」


ラビーが出したのは揚げて有るパスタである。

唐辛子とニンニクが効いたペペロンチーノ風揚げパスタ。


「おぉ・・・これもピりっと辛くて旨いなぁ!!」

「いえいえ」


ニコニコとしているラビー。


「で? 如何したんだ?」


盾の騎士が尋ねる。


「実はご相談が有りまして・・・」

「だろうな、 何か今日は様子が変だったから分かったぜ

如何したんだ?」

「実は昨日、 一人の子供がやって来たんですよ、 頭が球体になっている」

「亜人のガキは皆頭は球だ、 良く子供だって分かったな」

「声が若かったので」

「そうか、 それで?」

「実はその子供はその日の御飯にも苦しい様でして

・・・騎士団で面倒見て貰えませんか?」

「女将の頼みだ、 聞いてやりたい、 所だが・・・」


困る盾の騎士。


「子供が飢えているんですよ、 大人が何とかしないといけないのでは?」

「理屈は尤もだ、 尤もなんだが本人が如何したいだろう」

「本人が如何したいか、 ですか?」

「例えばだ、 騎士団に何か恨みでも持っている奴だったら如何だ?

そんな奴が騎士団の世話になりたいのか?」

「う、 確かに・・・」

「大人だから子供を守ろうとするのは立派な心掛けだ

だがしかし余計な御世話だったりするだろう、 その子と良く話し合った方が良いと思う」

「そう・・・ですね、 先走り過ぎました」

「それにこう言っちゃなんだが・・・」


ラビーに顔を近づける盾の騎士。


「騎士って割と地味でキツい仕事だ」

「そうなんですか?」

「三食寝床保障の代わりに色々やらされる、 狩りをして臨時収入とか出来るのは

戦闘向きの能力が有る奴だけだし・・・子供の亜人は能力が目覚めてないから厳しいと思う」

「そうですか・・・」

「まぁ小姓の様な事は出来るだろうから本人にその気があれば良いと思うぜ」

「分かりました・・・」

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