皿洗いでお願いします!!

暇なのででぶ妖精をむにむにするラビー。


「にょーん、 にょーん」

「暇ねぇ・・・」

「でぶちゃんむにむにし過ぎぃ、 これって商売になりませんか?」

「なりません」

「にょーん・・・」


ガチャリ、 と店のドアが開く。


「いらっしゃいませー」

「四人だけど大丈夫?」


鳥籠、 カンテラ、 ヘルメット、 ロープの頭の亜人がやって来た。

服装はやや汚れているが普通の服装である。


「大丈夫ですよー」

「あぁ、 すまんねー」


席に付く四人。


「えーっと何か一杯食える奴有る?」

「御飯を注文して頂ければ御飯はおかわり自由です」

「おぉ、 良いじゃないの、 女将さんも美人だし」

「おいおい止せって」


カンテラの軽口を止めるヘルメット。


「へへ、 じゃあ何かおススメは有る?」

「お腹が空いているのなら豚の生姜焼きとか如何でしょう」

「どんな感じ? 小さいの豚肉が沢山有る感じ?

それともポークソテー的な形で出て来る感じ?」

「小さい豚肉が沢山の形ですね」

「最高、 じゃあ豚の生姜焼き四つとライス四つで

腹減っているし急いでねー」

「かしこ参りましたー」


厨房に戻り豚肉を出してタレと混ぜて焼く、 生姜焼きはシンプルな料理である。

唐辛子は入れない、 生姜焼きの風味を損なうからだ。

豚の生姜焼きを更に盛り付けてキャベツの千切りを横に添える。

腹が減っているとの事だったのでライスは大盛りにする。


「さて出来たと、 持って行って」

「はいにょー」


でぶ妖精が配膳して四人の客はガツガツと食べ始める。

一切れの肉で大盛り御飯の三分の一を食べる。


「あらあら、 もっと御飯を用意するかね・・・」

「御代わり!!」「おかわり!!」「おかわり!!」「御代わり!!」

「はいはい」


ガツガツと食べる様はやはり見ていて気分が良い。

彼等は生姜焼きで3杯食べた後に残ったタレで更に御飯をお代わりした。


「ふぃー・・・喰った喰った」

「御客さん達、 何している方ですか?」

「お、 良くぞ聞いてくれました!!

俺達はトレジャーハンターをしている!!」

「トレジャーハンター?」

「そう!! 夢を追い宝を求め旅するトレジャーハンター!!」

「凄そうな仕事ですね」

「と、 言う訳でお宝が見つかったら返すので今日は失礼する」

「皿洗いをするか、 ボコボコにされて騎士団に突き出されるか好きな方を選べ」

「「「「皿洗いでお願いします!!」」」」


暫く皿洗いをしてくれる四人組が仲間に加わった。


「御皿洗いならおでぶちゃんがやるのに、 優しいねぇ・・・」

「うるさい」

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