閑話 マクスウェルの雑談

マクスウェルとADが店に来て料理を食べている。

マクスウェルが食べているのは辛さを調整したカレーライス。


「うむ、 ドラゴンの鱗揚げのみならずこういう料理も作るとは

やはり腕が有るな!!」


マクスウェルが絶賛する。


「恐れ入ります・・・付き人の方は先程から食事を取りませんが

大丈夫ですか?」

「ああ、 こいつは人前では食事をしないんだ」

「そうですか」


込み入った事情には入らない様にしているラビー。

自分の事情も曝け出したくないのだから仕方の無い話だ。


「お持ち帰りもしているなら、 何か買って帰るか?」

「じゃあカレーライスを」

「分かりました」


ADの為に持ち帰り容器にカレーライスをよそうラビー。


「所でボス、 先日のカウントダウンイベントですが、 反響が大きかったですね」

「だろー? 年越しと言う習慣にはオーソドックスなイベントが映えるんだよ

まぁそれを外すって言うのもアリだけどな!!」


けらけらと笑うマクスウェル。


「カウントダウンイベント?」

「あぁ、 俺様が亜人圏全域に流している番組で年越しカウントダウンのイベントをやったんだ」

「何をしたんですか?」

「処刑」

「え」

「処刑」


事も無げに言うマクスウェル。

手が止まるラビー。


「俺を騙そうとした馬鹿をいろんな方法で処刑したんだよ」

「それは・・・残酷では?」

「何で? 処刑は皆が楽しめる娯楽じゃないか」


マクスウェルが心底不思議そうに言う。


「・・・・・」


ラビーは思い出した、 処刑の見物に行かないかと誘われた事が確か何度も有った

自分は面倒だったので王妃教育が有ると断っていたが・・・


「ボス、 彼女には刺激が強過ぎるみたいですね」

「そうか? 一度見ると楽しいぜ? 店長、 見に来てみるか?」

「いえ、 遠慮しておきます」


中世の処刑は娯楽の一面を持っていた。

この世界で処刑は娯楽なのだと痛感したラビーだった。


「持ち帰りのカレーまだ?」

「あ、 すみません」

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