聖痕が発現するアスパル(王子side)

プリン城で過ごしているサンライズとアスパル。

お茶を飲んでゆったり過ごしていたがアスパルが急に頭を押さえる。


「痛い痛い痛い痛いいいいいいいいいいいい!!!」

「ど、 如何したアスパル!! 侍女!! 直ぐに医者を呼べ!!」

「は、 はい!! ひっ、 こ、 これは!!」


アスパルを見た侍女が悲鳴をあげる。


「何だ!! ・・・何だこれは!?」


アスパルの顔中に針で貫かれた様な傷が出来ていた。


「な、 何だと言うんだ・・・」


連れて来られた宮廷医師の話ではこれは聖痕だと言う。

聖痕については教会の関係者が詳しいらしい。


「教会の関係者・・・」

「それなら・・・スノー君を呼んで下さい!!」


苦しみながら絶叫をあげるアスパル。


「スノー・・・? あ、 アイツか!!」


司教の息子でありサンライズの側近であるスノー。

地味なので完全に忘れられていたがサンライズは思い出して

スノーを呼び寄せる事にした。


「お久しぶりですね、 殿下」

「そう・・・か? 何か雰囲気変わった・・・か?」

「えぇ、 親に髪の毛を全て刈り上げられました」


スノーは坊主頭になっていた。

教会の罰則の一つに坊主頭にすると言うのがある。


「ラビー様を追放した件、 父上も怒っている様です」

「そ、 そうか・・・」

「話によるとアスパル様に聖痕が現れたとか・・・」

「そうなんだ!! この傷を如何にかしてくれ!!」

「如何にかと言われましても・・・聖痕は聖女の証でもあります

受け入れるしか・・・」

「こんな痛いの・・・受け入れられない!!」

「聖女の証と言う事は教会で何とか出来ないのか!?」

「教会で何とか出来る・・・とは思いますが教会本部が怒っているんです

末端では本部の怒りに触れる事を恐れて手出ししないでしょう・・・

本部に直接出向くしか手段は無いかと・・・」

「本部だと!? つまり何か!?

アスパルを教会本部が有るウェーサーカ法国まで連れて行けと言うのか!?」

「えぇ・・・」

「スノー!! お前には目玉が付いているのか!!」


スノーの襟首を掴むサンライズ。


「見て見ろ!! こんなに苦しんでいるアスパルを法国まで連れて行くなんて」

「いや、 ここは連れて行くのが妥当では無いのかな?」


ミルクが悠々と現れる。


「姉上!! 何故ココに!?」

「聖痕が如何のと聞こえたから来てみた

良い機会では無いか、 こやつが聖女と認められれば

政治的にアドバンテージが取れるだろう

行って来てみるのは強ち悪い手とは思わん」

「なるほど・・・行ってみようと思います!!

スノー!! 直ぐにウィノとウルに連絡して準備をしろ!!」

「分かりました!!」


スノーが走り去る。


「・・・お前は何もしないのかサンライズ」


ぽつりとミルクが呟いた。

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