料理対決!!敗北は死!!

盾の騎士と万年筆女が睨み合う。


「お前・・・何でこんな所に・・・」


盾の騎士が尋ねる。


「何で? 貴方が最近休暇になると決まって何処かに出かけるから

女だと思ってね」

「・・・・・」

「図星でしょ?」

「いや、 仮に女だとしたら何だよ」

「私と言う婚約者が居ながら女に走るとは何事か!!」

「いや、 お前婚約者じゃないだろうに・・・親が勝手に言っているだけだ」


如何やら男女間の揉め事の様だ。


「まぁ良いわ、 女が来るまで待たせて貰いましょう」

「いや、 女は来ないよ」

「女は来ない? ・・・・・・・!!」


盾の騎士の顔をひっぺたく万年筆女。


「あ、 貴方!! 事も有ろうに人間の女を愛するなんて!!」

「いや、 何でそうなる!?」

「・・・・・人間の女って私ですか?」


困惑するラビー。


「だってそうじゃない!!

こんな森の中にまで態々御飯を食べにくる人が居ると思う!?

確実に女目当てよ!!」

「「それは無い」」


シンクロするラビーと盾の騎士。


「何で!?」

「「私(女将さん)の料理の腕が凄いから」」

「ぐぬぬ・・・ならば女将!! 私と料理対決をしなさい!!

私が勝ったら貴方の首を頂きます!! 貴女が勝ったら彼は好きにしなさい!!」

「私に利が何一つ無い!! 断るに決まっているじゃない!!」


漫画ではあるまいしそんな簡単にほいほい料理対決が決まってたまるか。


「面白い話じゃないか」


バタン、 と外から顔が6面ダイスになっている男装をした女性がやって来た。


「・・・誰?」

「へ、 辺境伯!!」

「辺境伯ですって!? 何故ここに!?」


驚く盾の騎士と万年筆女。


「失礼ですが何方様ですか?」

「この森を領地としている辺境伯だ、 人間圏から人が迷い込んだらしいと聞いてな

我々のルールでは人間圏から追い出されるか逃げ出して来たか迷い込んだ

つまり人間圏から入って帰るつもりが無い人間以外は皆殺しと言うルールなのだが

入って来て留まる人間を生かす理由も無い、 殺す必要も無いのだが・・・

放置するのも座りが悪い」


椅子に座る辺境伯。


「料理対決、 受けてみては如何か?

これならば一応の沙汰としてはアリだ

負けたら死、 勝てばこの店の営業権と其方の生存権を認めようでは無いか」

「物騒な事この上ない料理対決ね・・・断ったら?」

「亜人にはそれぞれ固有の能力が有る」


辺境伯は複数のダイスを取り出して無造作に机に転がす。


「私の場合は運の操作」


複数のダイスは全て出目が6になった。


「この能力を使って問答無用で君を始末しても良い」

「・・・・・」


料理対決を受けざるを得ない。


「分かりました、 受けましょう料理対決」

「それでこそだよ・・・」

「面白そうな事をしてるなぁあああああああ!!」


バン!! と勢い良く扉がまた開いた。

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