王族の家族会議、サンライズを除く(王家side)
カラメル王国の王都ブリュレのプリン城の王の執務室にて集まる王族達。
「さてお前達を集めたのは他でもないサンライズについてだ」
カスタードが席に座って話し始める。
「父上、 あんな奴とっと排除した方が国の為です、 貴族派閥が納得しませんよ」
カラメル王国第一王子カルーアが貯えた髭を撫でながら話す。
「そうですね裁判所も勝手な事をしたとして
サンライズには良い印象を抱いていません、 ここは廃嫡が妥当かと」
カラメル王国第二王女クリームも追従する。
「あんなに必死に努力をしたラビーちゃんを追放するなんて・・・
我が息子ながら許せませんわ!! 廃嫡は行き過ぎでも罰を与えるべきでしょう!!」
王妃プチシューがぷりぷり怒りながら言っていた。
「そうですかね、 今回はラビーが失脚したのは自明の理だと思いますよ」
第一王女ミルクが異を唱える。
「どういう事ミルクちゃん? ラビーちゃんが失脚したのが何で当然だと思うの?
彼女は小さい頃からずっと王妃教育を頑張っていたじゃない」
「殺し損ねている上に自分の仕業だとバレているじゃないですか」
「確かに・・・それはそうだけど・・・」
「王妃と言う重要な立場の人間がそんな事で如何するんですか?
我々王族とその配偶者に求められるのは高い能力です
一度も失敗をするなとは言いませんが
将来の王妃としてその立場を脅かす競合相手の排除の失敗は致命的だと言えます」
「ミルクちゃん厳しい・・・」
「まぁまぁミルクよ、 そんなに母を虐めるな」
「そもそも兄上が他の国に婿に行かなければこんな事にはならないのでは?」
「それは・・・仕方ないだろう」
カルーア第一王子は過去の外海の深海戦争において活躍し
共に戦ったカマボコ公国の第一公女すきみと結婚する事になったのだ。
カマボコ公国を修めるカマボコ大公家には
男児が生まれなかった事からこの結婚は喜ばれた。
「サンライズは馬鹿をやったが、 あのラビーが殺そうとしたのに殺せず
更に多くの男児を手玉にとるアスパルと言う娘、 中々の女傑だと私は思う」
「大勢に唾を付けるとは屑の極みだ
肝が据わっているのか狂っているのか馬鹿なのか
そんな女を義姉と呼びたく無いですわ父上」
クリームが瞑目する。
「気持ちは分かる、 何れにせよ貴族派閥がサンライズやアスパルに向けて攻撃をするだろう
態々王家が断罪してやる必要も無い」
「では静観しろと?」
「そうでは無い・・・ベッコ」
「は、 はい」
黙って状況を見ていた第三王子のベッコがおどおどと声を発する。
「お前は今幾つだったか?」
「え、 えっと・・・11です」
「サバ読まないでベッコちゃん、 貴方は10歳よ」
「うぅー母様ー・・・間違えただけです・・・」
「何れにせよ、 私もまだまだ王座に就いている、 お前が次の王になるのだ」
「えぇ!? ぼ、 僕が王様に!?」
「婿に行く長男、 馬鹿やった次男、 ならばお前が王座に就くのは当然だろう
とは言えお前は特に秀でた所は無い」
「い、 いえ・・・でも魔法が得意・・・」
「ならば優れた婚約者を決めるしかない」
「こ、 婚約者ですか?」
「あぁ、 婚約者に引っ張って貰いながら頑張れ」
「で、 でも・・・僕は・・・」
もじもじするベッコ。
「あぁもじもじするな!!」
「まあまあ貴方、 ベッコちゃんに結婚はまだまだ早いけども
婚約者として何人かリストアップするわね」
「それが良いな!! 公国からも令嬢を見繕いますよ」
「それなら私も・・・」
わいわい始める王族達。
「僕は・・・ラビーさんが・・・」
ぽつりと呟くベッコだったがその呟きは誰にも聞こえなかった。
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