このトチ狂った世界で僕は生きる

アホ

第1話

風も吹かない人工都市で俺は一人ベンチに座り佇んでいた。魔力により赤く染まった空は見通せず、ただ光電鉄に覆われた人工的な光によってこの都市を照らされていた。

俺は一枚コインを上げ、手の中で掴み表か裏を確認した。表だ

俺は術式を刻み込んだコインを後ろにいる女に投げつけた。

[コード入力F-115を確認。発動を許可します]

俺は携帯式コード入力F番機フォートを起動してコードを入力し術式を発動させた。

そのコインは無理矢理運動エネルギーを発生させ軌道を直線に変え女に向かって加速した。

コインは女を胸を撃ち抜き心臓が破裂し、そのショックで気絶した。

俺は気怠さを感じながら立ち上がり女まで近づきコードが繋がっている脳を破壊するため頭を踏み潰した。

俺は靴が血に汚れてしまった事に悲しみその場から立ち去った。

[生体認証番号10352番コード中枢神経の破損を確認。B-085五号機処理開始命令発行]

男が立ち去った後、B-085五号機が死体の処理を始めた。

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強硬鉄で作られた中央区を俺は通り過ぎ北方に位置するエリア05に向かった。

俺は弱鋼鉄の家まで足を運びフォートを取り出してデータ読み取り機にかざして生体認証をした。

[生体認証番号00009番通行を許可します]

そして弱鋼鉄で閉ざされていた扉が上に上がって開き俺は足を踏み入れた。

その音を聞きつけた最愛の妹が飛びついてきた。

「おにぃ、おかえり」

「おぉただいま」

「今日は早かったね、どうして?」

「いや〜、面倒事が早く片付いてね」

「またコインで運命を決めてないよね」

「ギク、そんなわけないだろう、お兄ちゃんがそんな危ない真似するわけないじゃないか」

「怪しい〜」

俺の最愛の妹は半目になり、俺を見つめた。

「無事でよかった。もう危ない真似はして欲しくないよ」

俺の最愛の妹は俺に抱きつき震えていた体を押し付けてた。

「それは保証しかねる。だってそれじゃあ面白くないだろう?」

「このバカ」

俺の最愛の妹は俺から離れ、もう知らないと言う雰囲気を出してどっか行ってしまった。

まぁ大体は予想付く多分トイレだ。

俺はズレた回答を導き出し、この部屋を借してくれているオーナーに会いに行った。

「あぁ、ようやく帰ってきたか、今回もすまなねぇな」

「妹の為だ」

「おぉ、そうかい、そういえばこの前お前が買ってきていた紅玉の付いたネックレスを大事に仕舞ってたぞ」

「それは本当か」

俺は大男に肩を掴み、最大の力を持って揺らした。

「おぉほんとだからやめてくれ」

「あぁすまない」

俺は大男に謝り今回の報告をした。

報告を聞いた大男は深刻そうな顔を作った。

「遂に奴が動き出したか」

「あぁ、妹の警護はどうなっている」

「安心しろ、お前さんがヘマする限りバレちゃいねぇ筈だ」

「それなら安心だ」

俺は笑みを深め、次の敵に対して思考を巡らせ今後必要な算段をつけていた。

そして俺は使用したフォートをメンテナンスするため俺の使用している個室に向かった。

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大男はこの人工都市を昔から貪っている奴との戦争ゲームに構えるためある人物に連絡を取った。

「おぉ、すまねぇなこんな時間に」

「なんだ?」

「奴が動く」

大男が連絡を取った人物はその言葉を聞いた瞬間コード接続を切った。

「まぁアイツはあれで大丈夫だろう」

大男はこれから起きる事に対して溜息を吐いた。

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俺は線で照らされた廊下を歩き、俺の個室に入った。

「おにぃ遅かったね」

そこにはガラクタを弄っている最愛の妹がおり俺は一度目を閉じて幸せを噛み締めた。

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