第4話 知らない世界

普段は、一緒にファーストフードを食べたり近所のラーメン屋さんに行ったり買い物も薬局やコンビニでお菓子を買うくらいだった。彼は、よくマックに行くと言っていた。今思えばウォーレン・バフェットのようだなぁ。

デートは専ら私のアパート。毎日の様に会って年齢的に、こう言えるかわからないが青春を満喫していた。

一度だけ静岡県の海の見えるお洒落なカフェに連れて行ってくれて季節限定のメロンパフェを2人で食べた。

ドライブの途中、太陽光発電の施設に寄った。自分で鍵を開けて彼は中に入って行った。メーターをチェックしている。何あれと私が聞くと電力会社に電気を売っていると話してくれた。姫には縁のない話だよ〜と彼は戯けて見せた。広大な敷地。これ個人所有なのか…

あまり詳しく聞けなかったが、何者なんだろう。もしかして私がいつも行くコンビニや、さっき食べたお菓子も彼が作ったんじゃなかろうかと怖くなった。でも、この時はまだ世の中の事やお金の仕組みについて深く考えたりはしなかった。

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