近所の億万長者。

第1話 お金持ちって何？

姫行くぞ〜。

そう言って彼は、近所のラーメン屋さんに入った。

大分歳が上の彼氏だが、ひょんなことから仲良くなって一緒にいる。

近所に住んでいる彼とは、ちょうど1年半前に知り合った。

日本人にしては珍しく、ちゃんと目を見て話すことが出来る人だった。それが第一印象。私はバイリンガルなので少し人と違う事が多い。別に変わった人間でいたかったわけじゃない。欧米の影響を諸に受けており、人と違うがそれでいいと思いながら生きてきた。

日本語が変だと幼少期は馬鹿にされてきたが、今は英語関係の仕事をしているので結果良ければ全てよし。経済的ダメージがないなら痛くも痒くもない。

その随分歳上の私の彼氏は、何故だか知らないが凄いお金持ちであり資産家のようだ。それを知ったのは付き合い始めて半年も経ってからだった。

どう考えても、彼はわざとお金持ちに見せないように生活していたんだと今はわかる。

確かに靴は、いつもピカピカだったし身なりも恐らく同年代の人より若々しく体型もよく保たれていた。服もお洒落だった。

私が、高級時計やブランド物に疎いので気がつくまでに時間がかかったのかもしれない。

毎回着けている違う時計達は、凄く重そうだった。