【旧版】サクラメントと魔法使い
井ノ下功
プロローグ/2020.02.17.
今朝の
「へぇ……そっか、捕まったんだ」
僕は何とも言えない気分になって、コーヒーカップから上がる湯気を見つめた。
湯気の向こうに鮮やかな色彩が蘇る。
このコーヒーよりも深遠な瞳。いつも羽織っていた真っ赤なコート。指先から散らばる金色の光。あのブラックホールの瞳は人より多くを捉えて、あの鎧のようなコートはあらゆる人の目を惹き、あの光はどんなセンサーでも観測できないものだった。
「元気かな、アイツ」
それは僕がこの大学で、学生をしていた頃の思い出。
二〇一〇年の冬、僕は魔法使いと友達になった。
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