第4話

ドアを開いた毬藻は


寒さに一つ身震いをし


そのまま駅へ向かう


最寄駅からは何度か電車を乗り継ぎ


京都行きの電車へと乗り換える


プレミアムカーへの乗車券はない。


毬藻は二段で構成される車両の下の段に乗り込んだ


そうだなぁ…


丁度、目線がホームの足元になるくらいだろうか


線路との距離が近いのが魅力だと常々思う


とはいえ今日の行きでは知らないおっさんが隣にいたが…


京都について真っ先に思ったことは、着物の人が多い


ということ


前来たときはこれほどではなかったように思う


ご時世の外国人の見当たらぬ京都


少し新鮮…


大阪と比べれば空気も澄み紅葉も相まって景観もなかなかのモノ


そこに着物の男女


結構なことではないか




とはいえ毬藻は色恋とは無縁人なのではあるが…

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