辻沢のアルゴノーツ ~鬼子のエニシは地獄染め~

たけりゅぬ

第一部 辻沢ノーツ(ノタクロエのフィールドノート)

登場人物紹介

野太のたクロエ(クロエ、ノタ)

第一部の語り手。

大学の鞠野まりのゼミに所属しフィールドワークの勉強をする女子大生。社会学科3年。

夏休みのフィールドワーク実習は鞠野先生の薦めで辻沢に入る。

調査目的は「辻沢遊女の家系図づくり」。

昨冬、唯一の親族であったおばあちゃんを亡くしたばかりの天涯孤独の身ながら、

ガールズバーで働き生活費や学費を稼いでいる。

飲むことは好きではないが、飲めば必ず深酒をして友人の藤野ミユキに迷惑を掛けている。

ゲームアイドルオタク。推しはR♡I♡Bの夜野まひる(故人)。

家族向けのマンションに一人住まい。


〇小宮ミユウ(ミヤミユ、ミユウ)

鞠野ゼミ所属の女子大生。3年。

建築科からの学際交流学生。

夏休みの実習はクロエと一緒に辻沢に入ることに。

調査目的は「辻沢の寺社建築実測」。

クロエとはゲームアイドルの話で盛り上がる息の合う友人。

学生寮で同部屋住まいの藤野ミユキとは双子の姉妹だが、別々の環境で育ったため苗字が違う。


〇藤野ミユキ(フジミユ、フジノ女史、ミユキ)

鞠野ゼミ所属のノーメイク女子。社会学科3年。

大学近くのボルダリングジムで体を鍛える意識高い系のフィールドワーカー。

中学の時からフィールドに入って調査をしている鞠野先生の秘蔵子。

現在の調査地はN県のT山郷で、調査内容を大学院の授業で発表している。

クロエが深酒するとかなりの頻度でお世話する介護者の一面もある。

完璧のようでいて街中で長時間ぼうっと立ち続ける癖がある。

学生寮で同部屋住まいの小宮ミユウとは双子の姉妹だが、別々の環境で育ったため苗字が違う。


〇サキ

鞠野ゼミ所属の女子大生。社会学科3年。

いつもスマフォをいじってゲームをしている。

夏休みの実習はどこも行く当てがなくクロエ、ミヤミユと一緒に辻沢に入る。

調査目的は「辻沢のネット環境調査」。オーディエンスエスノを標榜するが内実は別物だった。

鞠野先生の付き添いで辻沢町に挨拶に言った時にミリタリーな恰好で朝帰りしたり、祭りの人混みの中、木刀を振り回して奔り去る等、問題行動が多い。

何故かクロエに冷たく当たる。

藤野ミユキたちと同じ学生寮に住む。


鞠野まりの勇一(鞠野先生、鞠野フスキ)

大学でクロエ達にフィールドワークを教えている。

専門は環境地理学。文学部主任兼大学院教授。

学生のころから辻沢を調査していて、そのころお世話になった方々の伝手を頼ってゼミの実習地の一つとさせてもらっている。

世話好きだが肝心なところではコミュ障を発症する。

履き古しのメレルのベアフットシューズを愛用。

愛車は旧車のバモスホンダTN360で、車体がパイプだけという頼りない車を駆る。


〇クロエのおばあちゃん

クロエにとっては唯一の親類。昨年の冬に亡くなってしまいクロエは天涯孤独の身となっている。


〇四宮浩太郎(四宮)

鞠野教授の大学の同期で、学部生だったころ辻沢に一緒に入った仲。

その後も、土地に根付いて調査を続けたが10年前に死去。

辻沢調査の基本文献「辻沢ノート」の執筆者。

噂では四宮浩太郎には辻沢調査時に書かれた「辻沢日記」があり、「辻沢ノート」と合わせると「辻沢のアルゴノーツ」という書物が完成すると言われているが、それは中二病的妄想らしい。

クロエが世話になるAさんの夫。


〇辻沢女子高校 教頭先生

クロエ達が事前挨拶で最初に会いに行った人。

鞠野先生の学生時代からの恩人。

辻沢の郷土史研究家でもある。

「辻沢ノート」(四宮)の歴史の項はこの人の助力があってできた。


〇辻沢女子高校 川田先生

女バスの顧問。教頭先生が留守の間、クロエ達に生徒を相手にバスケをさせた人。

ゴールデンゲート・ウォリアーズ31番のタンクトップをノーブラで着てホットパンツ姿で校内をうろつくファッションセンスがデンジャラスな人だが、面倒見がよく生徒の信頼は厚い。


〇辻川町長

クロエ達が事前挨拶で二番目に会った人。

辻沢の町長。上背があって彫の深いイケおじ。

能吏ではあるがすさまじい偏見の持ち主。

クロエ達が事前調査で挨拶した時は、業績自慢と自分語りしかしなかった。

町長室が反社の事務所のようなのは元ヤ〇ザだからという噂がある。


〇エリさん

広報担当町長室秘書。

抜けるような肌で赤い唇と八重歯が印象的な女性。

クロエ達の辻沢生活を行政面で支えてくれる。


〇Sさん

3人の夏の間の調査拠点として離れを貸してくれる予定だった人。

案内はしたが問題があるからとドタキャンする。


〇Aさん(=調由香里)

急遽クロエの夏の間の調査拠点となった邸宅の奥さま。

超絶美人でパールホワイトのスカートスーツを着こなすセレブ。

四宮浩太郎は入り婿。

家には長男とお嬢さんがいるようだがあまり姿を見せない。

運転手付きの黒い国産高級ミニバンに乗る。


〇Aさん宅のお手伝いさん(=岩倉さん)

クロエの食事の世話をしてくれる人。

この人もあまり姿を見せない。


〇Kさん(=紫子さん)

クロエの調査地、四ツ辻の世話役の女性。クロエの最初のインタビュイー。

調査に全面的に協力してくれる。

クロエの頼みを聞いて、膝が痛いのに鬼子神社への山道を一緒に歩いてくれる。


〇Nさん(=ケサさん)

四ツ辻の最年長の女性。クロエのインタビュイー

数年前に脳梗塞で倒れ言葉と所作に不安がある中、3日がかりのクロエのインタビューに応じてくれた人。その中で娘さんを亡くされたことまで話してくれた。

Nさんの通夜ではロウソク継ぎ役がクロエに指名がかかるほどの仲になる。(ラポールの印)


〇Gさん、Lさん

四ツ辻の女性。クロエのインタビュイー


〇ユウ

四ツ辻公民館でクロエが夜中にインタビューの整理をしているとき、突然目の前に現れた少女。まるで鏡を見ているようにクロエにそっくりだった。

白いパーカーとデニムのショートパンツを履いていて、クロエを遊女に会わせると約束する。


伊礼いれいかい

ヤオマンHD・バイスプレジデント兼COO兼YSS副社長。

YSSの超人気ゲーム「スレイヤー・V」の功労者であり、非合法バトルゲーム「スレイヤー・R」統括責任者。

ヤオマン一の切れ者と言われ、HD社長からも一目置かれ、全社員からは会長を超える絶大な信頼がある人。


〇マホメット三世(寸劇の巨人、寸劇さん)

辻沢で行われている非合法バトルゲーム「スレイヤー・R」のパーティー「砂漠のともだち旅団」の隊長。元自衛官の日本人。

クロエが「スレイヤー・R」に参戦したとき同伴してくれたガタイの大きなおじさん。シャムシールを武器に群がるエネミーをなぎ倒してゆく頼もしい人。


〇サダムさん

「砂漠のともだち旅団」の隊員。

 小柄だが筋骨たくましく武者髭を生やした侍のようなおじさん。日本人。


〇サーリフくん

「砂漠のともだち旅団」の隊員。

 長身で身のこなしがすばやい、クロエと同い年くらいの青年。日本人。


〇屍人(ゾンビ)

辻沢のヴァンパイアに吸血されても感染しないが、失血死した場合は屍人(ゾンビ)となる。

辻沢の青墓の杜や地下道に生息し、滅殺してもしばらくすると青墓のどこかで復活して未来永劫濁世をさ迷い歩くと言われる。


〇蛭人間

「スレイヤー・R」のエネミー。主に青墓の杜に生息する。

屍人を人為的に改造したものらしい。

ハンプティーダンプティーのような体形で、両手の指が鋭利な鉤爪状になっている。

男は、改・ドラキュラといい、学生服に三つ編み姿。

女は、カーミラ・亜種といい、セーラー服に三つ編み姿。

スレイヤーを見ると襲って来る。

通常一体二体ごとに出現するが、時に青墓中を埋め尽くすほどになることがある。


〇ヒダル

ダル神のこと。「だるい」の語源という説もある。

行路死亡人、行き倒れた人の残留思念。

行路で弱った人に取り憑き人格を乗っ取ると言われる。

長い坂道などでひもじくなって歩けなくる時はヒダルに取り憑かれているので、

掌に「米」の字を書いてそれを呑むふりをすると直るという言い伝えがある。

辻沢で「ひだるい」というと疲れたを意味する。


〇夜野まひる(まひる、まひ)

世界最強のVRゲームアイドルだった。クロエの推し。

R♡I♡B(REIGN IN BLOOD)の闇センターで、ファンサを一切しないため氷壁と言われていた。

何度もワールドレベルの大会で優勝し、ゲードルを女子の憧れの職業一位に押し上げた人。

昨年末、R♡I♡Bメンバーが乗る搭乗機が墜落して厳冬のオホーツク海に消えた。

・内情は、まひるがオホーツクから辻沢に帰還する様子を描いたスピンオフ作品に詳しい

『死せる天使の裏声』

 ~アンチに搭乗機を撃墜され厳冬のオホーツクに消えたはずの世界最強のゲームアイドル夜野まひるはオタの旧車で北海道を横断しフェリーで故郷の辻沢に帰還します♪プレイリストは昭和ポップスで~

https://kakuyomu.jp/works/16817330650226917287


●『夕霧物語』

 伊左衛門が焼亡した楼の下より夕霧太夫を救い出し、青墓の杜にあるというけちんぼ池に連れて行く物語。

この物語のことは全ての鬼子が生まれながらに記憶している。

〇夕霧太夫

街道一の楼閣、阿波の鳴門屋の名妓。

絶世、傾城、別品※とはこの遊女のためにある言葉。

病に伏しているときに、焼き討ちに遭い焼亡した建屋の下敷きとなるが、

後に伊左衛門らよって掘り出され、故郷青墓への旅に出る。


※ベッピンは一般的に別嬪と書きますが、宮中での格付け、上ぼん、中品、下品(位、美醜ではない)から別して高貴であることを現わす別品べちぼんからこの漢字を使用しています。

別品を人とは分けて「別格な品物」と解釈している向きもあるようですが従いません。


〇伊左衛門

夕霧太夫付きの禿。海に身を投げ浜に打ち上げられたところを拾われた。

死を予感した夕霧よりしるしの薬指を授かり、死後、故郷青墓へ連れ帰るように頼まれる。


〇まめぞう

7尺半をゆうに超える大男の大食人。没落した清家より夕霧が買い受けた奴隷。

「お天道様の油ぎ」というあだ名がある。

新月刀の名手で、夕霧一行の行く手を阻むひだるさまを撃退する頼もしい助っ人となる。

最後まで夕霧に付き従う。


〇さだきち

まめぞうと同族の大食人。小柄ながら筋骨たくましい髭面の中年男。

最後まで夕霧に付き従う。


〇りすけ

まめぞうと同族の大食人。身のこなしが素早い若い男。

最後まで夕霧に付き従う。


〇ひいらぎ

伊左衛門の禿仲間で青墓出身。


〇ひだるさま

夕霧一行の行く手を阻む、ひだる神。

男は青半纏、女は赤襦袢姿。

巨大な鉤爪をしていて、暗い森の中や土手の向こうから数体で現れる。

行き倒れの残留思念が怪物化したもので、夕霧太夫を執拗に襲って来る。

青墓に到着した夕霧一行に大群で襲い掛かかって、最大の危機に陥れる。


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