黄昏時の公園~ドラゴンに出会ってから退治するまで~

霜月かつろう

物語の始まり

『異常な数値が観測された。至急調査に向かわれたし』

 そのメッセージはスマートフォンの通知画面に表示されている。

 自然とため息とともにスマートフォンを手に取ると顔認証システムでロックを解除する。

 地図情報と一緒に送られて来た依頼内容はいつも通り簡潔に収められている。

 適応者が少ないこの仕事で人手不足なのはいつものことで、休日もあったものではないのは20を超えたばかりの女としてどうなんだろうと思わないでもないが、仕方がないとも思う。

 だれかがこの仕事をこなさないと世界が書き換えられてしまうのだから。

 充電してあった旧式の携帯ゲーム機をACアダプターから外すと、専用の入れ物にしまう。

 とりあえずは異常がないか見回りからだ。その町へと向かった。

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