機械、疲れるだけの夢

春嵐

01

 夢の中。


 つかれていた。


「いや。おかしいでしょ。夢の中でもつかれきってるとか」


 つかれを癒すために、寝てるのに。夢の中でもつかれてるのは、おかしい。


「ああ」


 身体のほうは、心配ない。もともと、頑丈にできている。

 それでも、心のつかれは、どうしようもなかった。


 夢の中でも、相変わらず仕事をしていて。延々と、作業行程が続く。


「あれ。わたしは学生じゃないのかな?」


 と思ったら、夢が切り替わって。勉強してる自分。


「せわしないなあ。休ませてよ」


 延々と単語を暗記して、問題を解く作業。単純な機械的行為。


「学生も、なんか、こう、違うなあ」


 夢が切り替わる。今度は家事。


「おっ」


 炊事洗濯。お掃除。


「おっおっ」


 家事は得意らしい。すらすらと進んでいく。


「でも、つかれるなあ」


 結局、身体を動かしている。心を動かしていないだけ、ましなのか。


「こんな感じなら、いっそのこと、起きたほうがいいなあ」

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