天魔の塔の管理人
神城零次
プロローグ
彷徨える塔。通称:天魔の塔。
どの国にも属さない。魔法を極めた者たちが、集う塔。
最古参に当たる彼はいつも通りの行動をしていたはずだった。
頬に当たる冷たい床の感触。
動かない手足。思考を埋める飢餓感。
マズイなぁ……、と頭の隅で考えながら今自分が何処に居るか考えて絶望を覚える。
ここの住人達は自分のことを探しもしないだろう。
自分の研究に思いをはせるか、寝ているはずだ。
永い永い時を生き、自分の真名を呼ぶ者もいなくなった。
幕引きなのかもしれない、遥か昔に生きる理由など置いてきてしまっていた。
心残りはもちろんあるが、住人達がなんとかしてくれるだろう。
≪ジン≫も残り僅かだ。
天魔の封印も解けるかもしれない。
せめて最後は何も考えずに、眠るように……。
願わくば、この場所が誰の目にも触れないことを……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます