日本の新しい危機管理と安全保障体制
夏海惺(広瀬勝郎)
第1話始めに
ここ数年間、ネットで投稿し、反応を見続けました。最初は恐らく害を被る現職陸上自衛官だと判断される激しい反応も見られましたが、最近は少し静かになったように感じます。
しかし、これから展開する「新しい危機管理や安全保障体制」構築するのためには、まず福島原発回避に対する陸上自衛隊の対応の不味さ、それ以降の約10年間の迷走の責任を明確にしなければ議論を進めることは出来ないと思います。責任をあやふやにしたままでは戦前の軍部の台頭ような大きな混乱を招き兼ねない大事です。
制度設計や法律の基本となる、現憲法9条に代わる新たな憲法9条案「新たな平和憲法」を添付しますが、特にアメリカとの意識疎通を容易にするなための配慮や、第一線で国境警備に任ずる海上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁、そして国内の治安維持に任ずる警察等々の現場の意見を聞くべきだとも感じます。
自民党憲法改正素案に対する個人的改正素案です。
自民党草案は基本的人権の制約にも触れているようですが、今回の憲法改正は9条改正のみに止めておいた方が良いようにも感じます。
また「自衛隊」の存在を明記を数文字で追加しましたが、この数文字が大きな意味を持ちます。このことからも憲法改正は次の時代に大きな影響を及ぼす大事業です。ぜひ国民全員に議論に参加して頂きたく思います。
また、この憲法が日本国籍を有する日本人のみに効力を発揮することを最初に明記すべきかも知れません。
「新たな憲法9条」
9条 日本は専守防衛を維持しつつ、必要な場合には相応の自衛権を行使する。空と海での自衛権を発揮する根幹として自衛隊を設置する。
(1) 日本は海洋国家として海軍力、空軍力を充実し、価値観を共有する世界各国と連携を深め、侵略者を阻止する。陸上自衛隊は日本領土が外国軍隊により本格的な侵略行為を受けるまでは、日本から遠く離れた中東方面等々で平和維持行動に従事する。
(2) 日本領海領空、領土内への外国人勢力の侵入侵略行為も、すべて犯罪行為と見なし、国内法を改めつつ処断する。日本側から宣戦布告はしない。ただしジュネーブ条約で禁止される大量破壊兵器やミサイルロケット使用の場合は、その限りではない。
(3) 万が一、国内での紛争に追い込まれた場合には国民一丸となり警察を中心とする民兵組織も構成し、領土領海領空を守ることは基より、憲法や法治国家等々制度を守るために抵抗する。ただし如何なる状況でも日本は話し合いと和平交渉による紛争解決を目指す。
この3項目実現のために、法や組織を整えるべきではないだろうかと感じた。まず陸上自衛隊を縮小し、海と空で迎え打つ準備を急ぐために航空自衛隊、海上自衛隊、海上保安庁、そして水産庁漁業監視船の武装強化を急ぎ、国内治安維持強化のための警察官増員武装強化を急ぐことです。また国際的な枠組みの中で日本の安全保障体制強化を狙った安保法を有効にするために、縮小した陸上自衛隊を中東等に積極的に派遣できるように法整備を急ぐことです。
一項については憲法改正ではなく、政府機関や地方機関をまたぐ行政改革という制度改革でも対応できるのではないでしょうか?。福島原発事故直後から着手すべきことだったと思います。
二項については日本の核保有や敵基地攻撃能力の保有の可能性も残しています。
国民一丸となり行動するために、三項の実現が必要です。そのために総務省内に大規模災害から原発事故、原発テロ、都市型大規模テロ、そして本土決戦まで備える組織を新設することです。陸上自衛隊が各地に配備する補給処を基本にし、資材や食糧、武器弾薬も管理できるような組織にする必要があります。また有事の際には民兵も雇い入れる機能を確保することです。もちろん民兵も生活者ですから、ボランティアではなく、有償にすることです。銃を持つ民兵だけでなく、工事に励む土木業者なども一緒です。陸上自衛隊ではなく警察を中心とする民兵組織を立ち上げる理由には日本人が国を守るために立ち上がる目的は領土や領海などハードウェア的な財産だけでなく、日本人が特に明治維新近代国家建設、そして戦後、培って来た三権分立、法治国家、民主主義、教育制度、生産活動などソフトウェア的な財産をも守るためにも最善の方法だと理解するからです
また警察を中心とする民兵団は有事以外での現在でも活動できるような組織しておけば、例えば松前小島で起きた北朝鮮漁民の密上陸や小笠原諸島周辺での中国漁船団の密漁などに対しても住民の安心感は高まると思います。
この「新たな平和憲法」に続く、自衛隊法等々法律の制定は容易な筈です。一方、現在の自民党素案で自衛隊法改正の道筋も立たず、国家的な有事に対応できないと思います。
例えば憲法9条のみの改正というに基づき、憲法改正後の日本人の生活や日本社会がどのように変わるか想像してみるのも面白い。
例えば、9条一項の大きな意味は日本は戦前から踏襲してきた大陸主義国家的な防衛方針を大きく変えることであり、陸上自衛隊主体の国内戦をと言う思想を捨て去ることです。海上自衛官や海上保安庁職員、航空自衛官を増やし、予算も増やす必要があります。もちろん現在の日本の経済状況や若者人口の制約から無闇矢鱈に自衛官や防衛予算を増やすことは出来ません。陸上自衛隊のスリム化で対応するしかないと考えます。スリム化した陸上自衛隊は中東方面など日本から遠く離れた地域で西欧諸国やアメリカとともに平和維持活動を中心に活動します。当然、危険は伴います。戦後、一人の戦死者も戦傷さずに済んだ国は日本だけかも知れませんが、これからは済まないと思います。出来るだけ分母を少なくし、犠牲者の数も少なく済ませたいところですが、陸上自衛隊は現在の業務なら5万人と十分であるとアメリカの権威ある戦略家の意見も紹介されています。この指摘に耳を傾ける価値があると思います。犠牲者本人や遺族に対する補償も真剣に考えねばなりません。金銭的な補償もありますが、他に、一例として社会的な不公平さを感じさせた医学部入試試験の優待制度や国会議員の二重国籍問題などのようにな事件を参考にした優待制度の導入もあるかと思います。西欧諸国との連携を深めることで西欧諸国の海軍戦力を緊張が高まる東シナ海や日本海に集めることも出来ます。また中東という遠隔地なら日本国内が紛争に巻き込まれる可能性も抑制出来ます。スリム化する課程で陸上自衛官の処遇も問題になりますが、海上自衛官として艦隊勤務で人生やり直す方々が多くなると思いますが、そのようなことは内部の改革に過ぎません。憲法改正の必要もなく、制度改革で済んだ改革だと思います。怠けずに福島原発事故直後から着手できた筈です。
次は2項について、想像してみます。
憲法素案2項は、ジュネーブ条約などで使用禁止が定められている大量殺戮兵器を使用した攻撃を受けないかぎりは日本は宣戦布告も敵地攻撃も行わないことを定めています。ただし核の傘を日本に提供している米国の行動を妨げるものではありません。日本は領土領海を犯す外国勢力、集団、個人に対して国内法で対応する。もちろんを及ぼす外国勢力、集団、個人に対しても国内法で対応することで対応することを定めています。
例えば領空侵犯機に対応も犯罪者として内法を犯す犯罪者として対応することを国際社会に公表することになります。まず侵犯機に対して、これまで通り警告を発する。速やかに従わない場合は警告射撃を行う。それでも従わない場合はドッグファイトで撃墜する。その場合には敵パイロット逮捕のために救助体制を整えて置きます。また万が一、航空自衛隊機がドッグファイトに破れることも想定し、レーダーで捕捉不可能な最新型ステレ
ス戦闘機を後方に待機させ、自軍機が撃墜された場合には、直ちにミサイル攻撃で侵犯機を破壊し、自軍機のパイロット救助はもちろん侵犯機のパイロットを救助し、逮捕、所定の裁判を行うなどを国内法で定めることです。
ここまでは国際法には関係なく国内法のみで対応可能ではないかと思います。
憲法素案3項です。
国内戦、本土決戦です。国家の存亡をかけた最悪の有事です。
空と海で戦っていた自衛官や海上保安庁職も戦う術を失い地上戦に臨むしかない事態です。もちろん例外的に多少の兵器は残っているかも知れません。主に中東方面を舞台に活動していた陸上自衛隊隊員も最前線で戦ってもらう事態です。
一般国民は多くの者が収入を得ることも困難な状況です。勿論、年金も貰えなくなっていると思います。収入や衣食住の保障をしてくれるなら、進んで銃を取ります。あるいは戦いの支援をするために建設機材を提供する業者や、工場を稼働させます。
ただし、ここで明確にしたいのは警察官を中心とする民兵そしきであり、やはり国内法を犯す犯罪者を処断するという立場を明確に堅持することです。しかしエスカレートし、最前線へと移動する、追いつめられる国民も出て来ると思います。
もちろん、ここに至るまでに国際機関や他国仲介による和平交渉が繰り返されています。
このような最終的な国家的な有事に備えるために現時点から対応できるような組織を総務省内に新設することも議論することです。
国家的な有事とは、原発事故、大規模災害の大規模な有事です。新しい組織は物品の、補給、人員の確保までたんとうします。おそらく陸上自衛隊の補給処機能や補給体制を最大限活用すれば迅速に円滑に構成出来ると思います。しかし陸上自衛隊に残しておいままでは平時の調査機能もなく陸上自衛隊では不可能です。それに対して陸上自衛隊は平時に調査機能を要求しても、これまでの経緯からも認めるべきではありません。本土決戦を想定する機能は総務省に戻すべきです。前述したとおり本土決戦以前の国家的な災害発生時にも活用できるように整備をすることです。例えば建設資材、機材の保有数、生コン生産量、鋼材備蓄量、専門労務者の人員数等も調査しておくことで、他の大規模災害、水害や台風、地震などの有事に備えることが出来ます。
このような国家的な体制のもとでは、無駄を省くために陸上自衛隊の職種制度も見直すことも出来ます。
海と空で深慮(犯罪者)を阻止するという大きな戦略的変更で、陸上自衛隊の人員不足により管理不能、取り敢えず不要になった火砲や戦車等々の装備機材は総務内の新組織に移し、整備や一部職員による訓練を継続し、本土決戦に備えることです。また新装備の開発導入は可能な限り、操作要領など海上自衛隊と航空自衛隊共通としておくこと、また本土決戦までの国家的な有事に備えるために装甲車や戦車などの操縦等は民間人が簡単に操縦が出来るようにするために車の運転操作と共通性を持たせるように工夫することです。火砲や戦車などの維持管理、あるいは最悪の有事本土の決戦に備える技術の維持を図るために陸上自衛隊の一部も総務省職員とする必要があります。松前小島に北朝鮮漁民が上陸し警察官が逮捕する出来事がありましたが、そのような事件が再発した場合には陸上自衛隊が尖閣諸島奪還用にと調達した水陸両用車が登場する場面もあるかも知れません。また本土決戦には警察を中心とする民兵組織で対応するということが実現したら、警察官も少ない有人島に危険な集団が上陸した場合には島民が銃を取り、身を守る体制を構築出来るようになるかも知れません。勿論、普段から島民には武器の取扱教育や手当が必要です。また武器弾薬の管理は厳重にする必要があります。
警察を中心とする本土決戦、国内戦に方針変更する意義は、単に領土領海を守るための抵抗ではなく、日本が憲法や社会制度を守り続けて戦うためにも意義のあることです。
国防軍創設という文字が踊り、基本的人権を制約しようとする自民党憲法改正草案の欠陥は、紛争激化のシナリオや和平交渉という概念が抜けていることなどではないかと思う。作成者たちが、日本をどのようにしていこうと言うのかイメージを描いたのかも疑問が残る。
あるいは最前線で諸国軍隊と向き合っている航空自衛隊や海上自衛隊の発想は一切なく、国内戦(本土決戦)という最終的な有事を考える陸上自衛隊の発想が取り入れられた結果の草案のようにも感じられる。
紛争激化のシナリオを整理し、草案を見直すしかないと思う。
三権分立を放棄せざる事態や、国内秩序が大量の外国人勢力に破壊行為で危機に瀕する事態に至った場合には議会の発案で裁判を受ける権利を与えず現場の処断で拘束するか、排除することが出来るなどの議論の対象とし、新たな9条とは別の項目を立ちあげる必要が出てくるかも知れません。
それにしても野党国会議員には期待出来ません。ぜひ国民も自民党案に対して、直接、考えるしかない事態のようです。
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