備忘録

長靴を嗅いだ猫

第1話 中世ヨーロッパの風景 その1

10世紀ごろの欧州の森林面積を調べてみると、やっぱりとんでもなく森林面積が広い。

なにせ、1000年も前の話なのでなかなかはっきりしたことはわからないのですが、森林の海の中に農地という小島があるというレベルだったようです。


これはおそらく農具として鉄製農具が普及していなかったためになかなか開拓が進まなかった……というのも大きいようですが、それよりもどうやら湿地がかなり多かったらしいというのは興味深いテーマではないかと思います。


というのも、中世ヨーロッパ的な世界観が圧倒的に多いのがWeb小説の特徴で当然ながらその風景というのはやはり興味を引きます。


現代では干拓技術が発展しているために、湿地というのはなかなか見る機会が無く、乾燥している地面か池かという水陸の境界線がはっきりしているのが一般的なイメージで、これは海外のドラマや映画でもほぼ同様です。


ですが、どうも当時の風景を再現しようとするとかなり湿地というものを勘定に入れる必要があるようで、とくに森林というのはマングローブ林のごとく湿地の中に広葉樹が生えていて、森の中を進むというのはかなり困難だったようなのです。


このことに関してはイギリスのグラストンベリの記述がなかなか興味深く、ここは当時はリンゴの島と呼ばれていたいう記録があるようです。

故にアヴァロンと結びつけても不思議と思われない……という土壌があったのでグラストンベリ修道院でアーサー王伝説のねつ造なんかをやらかす余地があったのでしょう。


というわけで、中世ヨーロッパ的な雰囲気をダーク目に出したいときは湿地というのが1つのキーワードになるかもしれません。

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