第2話

「小学校を手がかりに来てみたけど、こんなお店あったかな…。」


すでに、お昼は過ぎて腕時計は2時を指していた。

随分様変わりしていた町と、空腹とで心細く自分の計画性のなさをつくづく後悔していた。


「おい、春 春じゃないか?」

後ろの方から声がした。


誰この人?春は、まじまじと高校生らしき男の顔を疑い深く見た。


「おまえ もう忘れているのか?酷いなぁ。小学校で同じクラスだった石井だよ。石井。」


「…。あっ!思い出した!蛙取り名人の、けんちゃん!」


「お前さ、蛙って、俺はどれだけ変な覚え方されてんだよ。いや。覚えてもいなかったか。ん?おまえ何を泣いてんだよ。」


春は安堵感からか、自分でも気が付かないうちに涙がぽろぽろ落ちていた。春は、小さな声で訴えた。


「けんちゃん。お腹空いたよぅ」


「仕方ないな!春もう泣くな!美味しい物を食べさせてやるからさ。」




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