第16話 戦争

戦争は必ず誰かが仕掛ける。

偶然起こる戦争などない。

戦争には準備が要る。

目的も計画もなく、いきなり戦争を始めることはできない。

戦争は、一人でやるものではないからだ。

その国の国民の同意が要る。

戦場で戦うのは、宣戦布告した人ではない。

その国の国民だ。しかも、多くは若者だ。

若者には父がおり、母がおり、兄弟姉妹がいる。

その若者を戦場に送り出す家族がいなければ、若者は戦場で戦わない。

家族、恋人、友人、身内を守るために、若者は戦う。

もちろん、仕掛けた側は守りではなく、攻めだ。

攻撃はうまくいくときもあれば、うまくいかないときもある。

ずっとうまくいくとも限らない。

攻める側には攻める理由がある。その準備もある。

準備がバレないということはありえない。当然、相手の知るところとなる。

相手も準備する。準備しない人は、違う目的を持っている。

その国を守る気の無い人だ。

スパイとか、工作員と呼ばれる人の類いだ。

そして、戦争は仕掛けた方が悪い。

どんな理由があれ、先に撃った方に非がある。

ただ、相手が打つまで待っているのではなく、相手が撃てないように抑止することが大切だ。

抑止の方法は様々あり、戦争の成否もその段階でほぼ決まっていると言っていい。

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