インタラクション
遥石 幸
はじめに
登場人物の紹介と章ごとの話の流れ
【現実世界の登場人物】
・僕
現実世界の主人公。高校二年生。小説『インタラクション』の作者。
・大島(おおしま)
現実世界の文化祭で行われる演劇の主人公。男子のリーダー格。
・岡崎(おかざき)
演劇のナレーション担当。女子のリーダー格。
・長谷山(はせやま)
演劇の脚本担当。執筆が遅れていることに責任を感じている。
【小説世界の登場人物】
・朝野智文(あさのともふみ)
小説世界の主人公。高校二年生。幼馴染であり学級委員長の白石陽菜乃に任命され、映画の脚本を担当することになる。
・白石陽菜乃(しらいしひなの)
朝野智文の幼馴染であり学級委員長の女子。映画制作のプロデューサー的な立ち位置で、クラスメイトたちを引っ張る。朝野曰く「前向きで真っ直ぐな体当たり少女」で、有無を言わさず相手を了承させる『素敵スマイル』という必殺技を持っている。
・牧瀬直夜(まきせなおや)
朝野智文の親友。あだ名は『王子』。テニス部員。映画『インタラクション』の主役に立候補し、演じることになる。見た目は若干チャラそうだが真面目な好青年で、みんなから慕われている。
・望月透華(もちづきとうか)
朝野智文のクラスメイト。儚さと美しさを併せ持つ長い黒髪の少女。その幽霊のような風貌から、映画のヒロイン役にぴったりだと推薦され、不慣れな演技に挑むことになる。
・服部圭(はっとりけい)
映画の編集担当。ネットに猫動画を投稿し、再生数何十万回の実績を持つが、本人はあまりそのことを広めてほしくなかったらしい。
・源綾子(みなもとあやこ)
映画の音声担当。生真面目な性格。
・吉田壮馬(よしだそうま)
映画の主題歌担当。『インタラクション』という楽曲を作る。文化祭ではクラスの出し物のほかに、自身が組むバンドの公演も控えている。
【章ごとの話の流れ】
この項目は小説の雰囲気や流れについて簡単に知るためのものです。一部ぼかしてはいるものの、始めから終わりまでの内容に触れているため、小説のストーリーについてのネタバレをかなり含みます。
もし、先に知りたくなければ、あまり見ないようにしてください。
20××年8月×日
・現実世界の夏休み。深夜、僕は小説『インタラクション』を書いている。
・小説の内容について少し触れる。
・サイコロを振る。
・この小説が完結したら、と考える。
小説『インタラクション』 第1章
・夏休み直前。帰りのホームルームの終わりに、突然学級委員長の白石陽菜乃が文化祭の出し物を決めると言い出す。
・いきなりだったので不満の声が多少上がるも、意外と協力的な雰囲気で出し物決めは行われ、成り行きで『映画制作』に決まる。
・『人間と幽霊が交流して恋に落ちる』というざっくばらんなアイデアながら、主人公を牧瀬直夜、ヒロインを望月透華、そして脚本を朝野智文が担当することに決まり、そのまま夏休みに入る。
・朝野は「二週間で仕上げて」という白石の無茶ぶりに対し、なんとかして脚本の完成を目指す。
20××年9月×日
・9月になっても、僕は小説の執筆を続けている。
・クラスでは文化祭の出し物である演劇の準備が進められているようだが、自分にはまったく関係のないことだと結論付ける。
・夏休み明け一日目終了。一人、下校する。途中でハンバーガー屋に寄る。
・読者不在の小説、夏休み編の仕上げに入る。
小説『インタラクション』 第2章
・朝野、白石、牧瀬、望月の四人は、朝野が完成させた脚本の意見交換を行うために夏休み中の学校に集まる。
・朝野は何を言われるかと緊張しつつも、想像以上の高評価で安堵する。
・さらにこの場で映画のタイトルを決めることになり、朝野は脚本を書いている際にぱっと思い浮かんだ『インタラクション』という単語を告げ、それがタイトルに決定する。
・クランクイン。河川敷での帰り道のシーンの撮影。人間と幽霊という設定の牧瀬と望月が距離を縮める大切な場面であり、夕陽を背景にして二人の姿を撮影する。
・学校の屋上のシーンの撮影。ここで朝野は牧瀬から「○○のことが好き」と告げられる。
20××年9月1×日
・劇の台本がまだ出来上がってないことを僕は知る。
・いずれにしても、準備には参加せずに家に帰る。
・夜に散歩をする。
・いつかの夏祭りや太陽と月と地球の模型について考察する。
小説『インタラクション』 第3章
・夏休み明け。先生をも巻き込んだ授業中のシーンの撮影。
・昼休みのシーンの撮影。取り留めのない「アドリブ的な会話」と映画のストーリーに関わる「幽霊についての噂」についてのやり取りをクラスメイトに演じてもらう。
・放課後。準備に参加する人が日増しに増えていることを朝野は認識する。考え方や感性が全然違う人間との交流を経て、文化祭というイベントの魅力を知る。
・その日の作業終了。楽曲『インタラクション』が吉田壮馬率いるバンドメンバーによって初披露される。
・夕食時。朝野、白石、牧瀬、望月の四人でハンバーガー屋に立ち寄る。今後の撮影のスケジュール等について確認する。
・帰りの電車。朝野は幼馴染である白石の「ある一面」を知ることになる。
20××年9月1×日
・台本は今日も配られなかった。
・何かに振り向くこともなく校舎を出て、一直線に高校の最寄り駅を目指す。
・だけど、真っ直ぐ家には帰らず、小説の中で朝野たちが映画の撮影場所として選んだ河川敷を、実際に自分の目で確かめに行くことにする。
・到着し、河川敷を散策する。
・暗くなり、最後にもう一度、川の近くまで下りてみることにする。
・そこに設置された看板で、僕は『花火などの○○○○』という文言を見つけてしまう。
小説『インタラクション』 第4章
・映画のストーリーの上でも重要な花火のシーンの撮影。朝野たちは失敗の許されない撮影に対し、念入りに準備を進める。
・花火のシーンの撮影はみんなで打ち上げのような雰囲気で盛り上がりたい、という白石の希望もあり、当日は大勢のクラスメイトが集まる。
・撮影は滞りなく進み、牧瀬と望月は役の上で「お互いに秘密を打ち明ける約束」をする。
・撮影後、バーべキュー開始。その最中、朝野は望月に「あのこと」について尋ねる。
・バーべキュー終了後、白石は朝野に「今日この場で起きた一つの奇跡」について告げる。
・それぞれの思惑が入り乱れる中、美しい夜は過ぎていく。
20××年9月2×日
・帰りのホームルーム。今頃になって劇の台本が配られる。
・帰宅後、読んでみて僕は台本に名前がないことに気づく。何もかもが変わらない現実の世界に対して絶望する。
・神がサイコロを振るように、朝野たちがいる小説の世界も滅茶苦茶にしようと決める。
・映画の制作を崩壊へと導くため、小説の展開を変えて書き始める。
小説『インタラクション』 第5章
・花火のシーンの撮影を終え、朝野たちはいよいよラストシーンの撮影に入ろうとする。
・だが、牧瀬の足の怪我によって、撮影の続行が不可能となってしまう。
・牧瀬が入院する病院へお見舞いに行く。
・牧瀬を気遣い、朝野たちは必死に代替案を考えるが、どうしても現状を打破する方法は思いつかない。
・彼らは絶望するはずだった。しかし……。
20××年9月2×日
・誰かの魂の叫びにより、キーボードを打つ僕の手は止まる。
・歪めてしまった朝野たちの世界を修復しなければと考え直す。新世界の幕開け。
・台本に自分の名前がないことをクラスメイトに伝える。
・文化祭はまだ終わりじゃなく、これから始まるのだと僕は決意を新たにする。
小説『インタラクション』 第6章
・帰宅した朝野は解決策を練るため、もう一度丁寧に脚本を読み返す。
・苦悩の末、現状をひっくり返す「どんでん返し」を思いつく。
・ラストシーンを中心に脚本を書き換える。
・受け入れられた新たな脚本に基づき、退院して歩けるくらいに回復した牧瀬も含むクラスメイト全員で映画の完成を目指す。
20××年10月×日
・台本は即日修正され、確かに「全員に役が与えられた劇」となる。
・僕は劇の全体練習や準備に参加するようになる。
・文化祭前日。教室の壁際に一人寄りかかった僕は、自分と朝野の世界について考える。
・明日の文化祭が終わって、もし小説が完結したら「○○○に○○してみるのもいいかもしれない」と思い至る。
小説『インタラクション』 最終章
・文化祭当日の朝を迎える。朝野はいつもより早めに登校し、白石とともに最終確認を行う。
・開会式終了後、映画『インタラクション』の初回上映の準備をする。観客が教室に入ってくる。
・映画『インタラクション』の上映を開始する。
・オープニング~エンディング(映画の内容は本編にてお確かめください)
・初回上映が終わり、朝野は牧瀬と一緒に文化祭を回る。
・どこに入ろうか検討していた二人は、やがて一つのクラスに不思議と目が留まる。そこで行われている出し物の内容は『○○』。
・朝野たちは、長く伸びた列の最後尾に並ぶ。
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