第19話 闇ギルド殲滅戦①
あの後、家に帰って皆に今日のことを報告するとすごく褒められた。姉さんにいたっては「ご褒美のチューしてあげる♡」とかいって迫られたが我が愛しの妹ソフィが鉄壁のガードで寄せ付けなかった。
その後、父さんが明後日には王都を出ると言われたため、王都で冒険者活動が出来るのは明日が最後だろう…と思っていたのだが、
それを受け入れた僕は他に誰が残るのか気になったので聞いてみると、ここには学生であるアルト兄さんとベール姉さん、この2人だけらしい。なにせ、実家には最近産まれたばかりの双子の弟と妹がいるからなるべく家にいたいんだろう。え? そんなの聞いたことないって? そりゃ今言ったからね!
ちなみに能力的には精霊に愛された子だから多分またチートな家族に成長するんだろう。
「さて、明日からは本格的に冒険者活動していきますか」
〜1ヶ月後〜
あれから1ヶ月が経った。今では王都での生活や冒険者活動に慣れたものだ。今日も今日とてギルドに入ると、
「おい、来たぞ!あれが噂のルーキー、
……はずい。
なんだよ、白い悪魔って!!
確かに髪色は白銀だし、前に隣町から冒険者に絡まれたときにはしっかり教え込んだりしたけども、悪魔は言い過ぎでしょ!?
「お待ちしておりました。エル様、ギルドマスターが奥でお待ちです」
「ありがとう、セリアさん」
そう言うと奥へ案内してくれる。と、そこでギルドマスターと別の気配がした。扉を開け、中まで入ると
「待ってたよ、エル君」
「ご無沙汰しております。しっかりAランク、しかも最上位のA1まで上げてくるとは思っても見ませんでした」
中で待っていたもう一人の気配は、この国の宰相であるマルベル・フォン・コーストンだった。
「お久しぶりです、宰相閣下。遂にやるんですね」
「ええ、いい報告を期待しております」
「それにしても一国の宰相様がこんなとこにいてもよろしいのですか?」
「許可は貰っています。というか、俺も行く、と言われててしつこかったぐらいです。それに、この件は極秘となっていますのでどこから情報が漏れるか分かりませんからね。なので、私自らここへ来たということです」
宰相ほどの大物が動く方がなにか勘ぐられたりしそうだが……。ここに来る最中に襲われたりしても大丈夫なんだろうか。
「護身の
「平然と心を読んできますね」
「これでも宰相ですから」
はぁ〜〜〜、苦手だぁ。
「話を戻そうか。闇ギルド殲滅依頼では、エルくんが主戦力として乗り込んでもらう」
「他の冒険者はどのくらい来るんですか?」
「他のAランク数名とBランク20人、Cらんく30人を使う予定だよ。報酬はかなりのものだから集まると思うよ」
「そうですか。……あの、我儘なんですけどいいですかね」
「もちろん」
「じゃあ、冒険者の中でもなるべく捕縛に長けた人達を呼んでください。あと、魔法使いの人で"アンチマジックエリア"の魔法を使える人を数人、基本的に素の身体能力が高い人をお願いします」
「どのように攻めるかは大体掴めました」
「そうだね。でも、闇ギルド相手に隠密勝負では分が悪いんじゃない?」
「驕りではないですけど正直なとこ僕一人いれば、負けることはありえないので。もちろん、隠密勝負でも負ける気はありません」
そう答えた瞬間、二人の背中に寒気が走った。齢7歳から出るオーラじゃない。その小さな体から謎の凄みが溢れていた。
「続きですが、僕と他の冒険者方……いや、僕一人で乗り込みます。他の冒険者達にはアジトの周りを包囲してもらい、アンチマジックエリアを行使、僕が終わらせた後にその人たちに拘束と運ぶのをを手伝ってもらいましょう。その方が僕も気が楽です」
「は、ははっ、君はほんとに末恐ろしい子だね」
「全くですね。その後の話になりますが、エルくんに子爵位を与える事になっております。それに伴って領地も与えるようです」
「冒険者ランクもSランクに昇格させよう。S1ランクの昇格を決めるのはギルド本部だから足を運んで貰うことになるよ」
「いやちょっと待って下さい! なにさも当たり前のような感じで喋ってるんですか!? それに僕7歳!な・な・さ・い!!」
「「関係ないね(ですね)」」
どうやら年齢攻めは効かないようだ。
◇ ◇ ◇
翌日早朝、第一位危険区域に指定されている森の中にある館を包囲する冒険者達。
「それじゃあ、……始めようか」
闇ギルド殲滅、もといエルの蹂躙が始まる。
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読んでいただきありがとうございます!
久々の投稿ですみませんでした!
そして、多少というより結構訂正させてもらいました!
次の話もお楽しみください。
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