てんとう虫と超能力者たち 2
なかたろう
研修旅行 1
「できましたっ…!」
「俺にもバラ型のママレードが作れるなんて…」
「すごいです!耀くんもしかしたらパティシエとか向いてるかもしれないですね…!」
「褒め方大袈裟すぎ」
「ついつい一緒にできる喜びで…へへ」
「…まあ、その道も選択肢には入れとくよ」
「はい!」
そのため池高祭以来あまり喋らなく、感心なしだった耀とも距離が縮まったのだ。
耀も紅天と話すようになってから毒舌よりツンデレの種類属になっていた。
そんな中、居間に響くインターホンを覗くと、真紘がいた。
「あれ?麗緒さんは一緒でないんですか?」
「ああ〜。今日ねー、行く気ないってさぁ」
真紘と麗緒をセット扱いし、思わずきいてしまう紅天に適当に答えた真紘。今日はふわふわのオーラとは少し違った。
「?真紘さんと何かありましたか?」
「とくに何もだよ〜。はいこれ、だいぶ前のボストン土産〜」
「ありがとうございます!ママレードも焼きあがったところですし良ければ上がっていってください!」
「ありがとう〜」
とくになにもとは言われたが、いつもと違ったオーラ、ほんと少しではあるが声のトーンの違いに違和感を感じた。
何より、まだ会ってない人もいるが栄西家のほとんどは紅天に会って心を読まれないようにする傾向があった。
というのも上手く説明し難いのだが、人には誰しも心の中というものが存在しており、そしてもう一つである心の中の奥も存在する。
よく心の中で考えるが当人の中で出てき勝手に葛藤し戦う天使と悪魔が存在するのがあれも一種の心の中の奥である。
つまり心の中はあくまで表面上。奥までは紅天でも読めないわけである。
栄西家の大抵の人は、紅天の能力を知り心の中で自分を偽る人が多かった。
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