良い奴が消える話

かぶり灰猫

良い奴が消える話

クラスメイトのAはある日突然失踪した。

彼は人一倍良い奴で僕と仲が良かったので心配だ。

消息を絶った彼の手帳には最後の方に縦書きで1ページ1文づつこう書き殴られていた。


悪い奴は消えるべきだ

もう全部終わりにしよう

僕が中途半端で愚かだった

少しでもそんなことするべきではなかった

仲間を信じる

という自分の言葉すら信じ抜くことができてなかった

こんな奴ら仲間ではなく敵だ

なんて僕が間違っていた

ちゃんと信じるべきだ

過去から一切成長していないじゃないか

もう償いきれないところまで来てしまった

これは許されることではない


彼が失踪しなければならない程思い詰めているなんて知らなかった。今は彼の無事を祈ることしか出来ない。



しばらくして、彼は命に別状はなく発見された。

ひとまず彼が無事に見つかって良かった。

捜索を手伝わされていた彼の部活仲間達が事故で亡くなってしまったのは残念だったが。

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