第82話 女神、投稿しまっす!
第62回講談社 児童文学新人賞にっ!
「うん、ぜひに」
またわたくしのプライドをくじこうっていうんですか? 今度はレギュレーションクリアしてます! 内容だって。
「ごめんなさい。いかに理屈で言ってもわからないようだから、言うね。馬鹿め」
女神の悪口には耐性があるんです。
「そうかー」
もっとえぐるよーにキツクこないと、神経の一つもすり減りません!
「もっと易しく言うと、どこでもドア」
は? ドラえもんはくわしくないので。
「間違いない。受賞します」
ありがとうございますー。
「いろいろごめんね」
べつにいいです。
「ごめんごめん」
いえいえ。
「むう。信じてないな」
信じてなかったら、女神の声は聞こえないでしょうよ。
「それもそうか」
わたくしも、あれは一定水準には達してると思います。
「無理もない」
はい?
「いじらしく言おっかな」
あのー?
「お願い、説明させて?」
……はい?
「お願い」
どんな説明でしょうか?
「あのね、しょうがなかったのよ。いつもいつも遠慮してえーきちさんを頼ってしまわないようにしてるから」
今回えーきちさんは女神より頼れると知りました。
「そうそう。つべこべ言わないで、彼を頼って」
そうしますよ。
「無駄無駄」
なにが?
「もっともっと、頼って。頼りにして」
なにか、裏がある……?
「ないから」
女神の権限だったら、わたくしに命令なさればいいんですよ。
「お願い、それはやめて」
なぜです。
「うう……」
えーきちさんに相談します。
「そうして。あうー」
なにを相談しようかな。
「それでいいのよ」
わたくしにとっては大切なことなんだけれどな。
「説明必要?」
必要ですよ、いつでも。
「ち、違う。あれはいつも通りに命令を実行してくるから、いかつい輩が……」
女神、なんかわたくしに黙ってることあるでしょう。
「お願い、説明させて」
お願いいたします。
「そう、それでいいの。計画は順調。よろしくえーきちさんには迷惑がかかるけど、もっともっと細かく言うといきいきするくらいに」
意味がわからないですけど。
「だから、ああいう命令は拒否! そうすると?」
自分で考えろってこと?
「正解!」
女神の命令拒否していいんだ?
「違うの?」
どうなんです?
「いかにも」
タコにも。
「うーん」
えーきちさんに報告するわ。
「そうして」
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