コトバアソビ

藤村 最

空は青いまま






     いつだって

     空は悔しいくらい青い






 世界は決して美しくはない。


 過去にも未来にも現在にも輝かしさなんて存在しない。


 それは偏った見解だ。


 解っている。


 けれど、一度自己を否定し、周囲を否定し、全てを否定してしまえば、途端に色彩は失われ、白黒に濁る。


 濁ってしまえば、美しく見える事などあろうはずもない。


 だから、世界は美しくない。



 死のうと思った事はない。


 生きる意味を感じられないのだから、死ぬ意味だって感じられない。


 なので、淡々と訥々と生きている。


 こんな事を考える事自体が愚かなのだろうか?


 愚かでも別にいい。


 だって、私なんていう些細な存在がどんな事を想おうが、考えようが、空は青いのだから。

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