トゥールズ

俺が生徒会室の扉を開けるとそこには銀節先生が立っていた。

「予想より早く着いたね。褒めてあげよう。」

まったくうれしくない。

それにこの声は……

「お前は昨日、電話して来た奴だな!!」

「正~~解!!いやぁ~覚えてくれてて嬉しいよ~~!!」

銀節は何とも言えないしゃべり方で喜ぶ


「お前は誰だ?何が目的だ。」

そう聞くと銀節は、貼り付いたような笑みを浮かべ。

「そうだね。あんまり詳しい事は言えないからなぁ~~トゥールズ…………とでも言っておこうかな。」


トゥールズ?

「何だ、それは。」

「いずれ分かるよ、それじゃあまたねぇ~」

そう言うと銀節は窓を蹴破り飛び降りる言っておくがここは5階だ。


「待て!」

俺は窓に駆け寄ったが、すでに銀節の姿は消えていた

「くそっ!!」

俺の叫び声だけが空に響いた―――――


俺が生徒会室を出るとアカネとトモハルが走って来た。

「トモハル、アカネ、そっちの様子はどうだった。」

そう聞くとトモハルは首を振りながら

「ダメだった……今まで揉み消した黒い資料とか他にも色々全部盗られてた。」

「そうか。」

俺達が落ち込んでいると坂枝野会長が


「まぁ爆弾が爆発しなかったんですから、それでよしとしましょう。」

自分の言ってる事の意味を分かって言ってるんだろうか。

「いや、そうとも言い切れませんよ。」

さっきまでスマホをいじっていたトモハルが、画面を見せてきた。


「ちょっと、なによこれ?」

そこには学校うちの校長と教頭のについて書かれたネット記事が映っていた。


「銀節の奴、やりやがった《リーク》しやがった。」

「これでうちの校長も教頭も終わりだね。」



こうして爆弾騒ぎは校長と教頭の失脚という結果的に坂枝野生徒会長たちの思惑通りに幕を閉じた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る