53 エンカウント
何度かの休憩を挟んで、持参してきた食事をいただき、それ以外の時間をすべて前進に費やして。
遠征の開始からざっと半日経過したころ、不意にアカが立ち止まった。
「来ます」
言葉は短いが、全員がその意味を即座に理解する。
結界の向こう側――大吹雪の吹き荒れる地獄のごとき場所から、ふたりの魔術師が歩いてここに到達しようとしている。
誰もが固唾を飲んで、それを待ち受ける。
結界の境界線の向こう側は相変わらずこちらからではなにもわからないほど荒れ狂っていて、来訪の兆しも読めない。こちらに誰かが接近しているなんてまるで感じ取れない。
だから、それはどちらにとっても唐突な邂逅になった。
「っ!?」
「……わ?」
踏み込んでまず、当然に現れたふたりのほうが強く驚く。
結界に内外の通過に制限はかけていない。その上で全体が隠蔽してるために、余人にとっては別世界へ紛れ込んだかのような錯覚を与えただろう。
一メートル先も見えないほど凄まじい雪の乱舞がたった一歩で止んだこと。
強力な結界に紛れ込み、それが張ってあることに侵入するまで気づけなかったこと。
そして、目の間に六人もの誰かがそこに待ち受けていたこと。
すべてが驚愕を誘い、それをさらに助長するようにジュエリエッタが微笑んで手を振る。
彼女は彼女を――互いは互いを、知っている。
「やぁ、
「……っ!」
すると途端、現れた片割れ、朱色の長髪を伸ばした厚い外套を纏った女性が目を剥く。
一般的には厚着だがこの地においては薄手であるその装備から、彼女の防寒の魔術の精度がうかがえる。
術師としての腕の高さ、その外見的特徴、なによりもジュエリエッタの発言からして――彼女こそが目当ての人物、威命のアンカラカであることに疑いの余地はない。
憎悪に溢れた昏い赤銅の瞳を歪ませ、アンカラカは刺すように睨み返す。
「偽命のジュエリエッタ……! なぜお前がここにいる!?」
「はっはっは。なぜだろうね。君を追いかけてきたのかもしれないよ?」
「ふざけたことを!」
「――魔術師協会の会長が、君に聞きたいことがあるらしい」
「っ」
おどけて苛立たせた直後に本題を置く。
嫌いな相手に、ジュエリエッタは容赦しない。
「あーあ、がんばって裏工作して暗躍したのに、バレちゃったんじゃないかい? 身の丈に合わないことを望むからそうなるんだよ、小さなアンカラカ」
「ふ」
耳馴染んだ罵詈雑言に、アンカラカは逆に冷静さを思い出す。
憎き相手、腹立たしい相手。それはアンカラカの視点から見たジュエリエッタにも言えることだ。
アンカラカは表情を消し、すぐに嘲笑に切り替える。その仕草に慣れた者の笑い方だった。
「野良犬が遠吠えを吠えなくとも、負け犬なのは知ってましてよ? むしろ、野良犬の自覚があるのでしたら寄ってこないでくださいまし。そのドブ臭い体臭に鼻が曲がってしまいそうですわ」
「おや、この距離でも匂いをかぐとは、犬はどちらかわからないね」
「お前の臭いがそれだけ酷いと言っているのが伝わりませんの? 野良犬に人語の妙は難解が過ぎましたか」
「そうだね君の言葉はわかりづらい。自分ひとりで完結してひとに理解させるつもりがないんだろう。ほんとう、小さいよねぇ」
「ジュエリエッタァ……!」
「なんだい、アンカラカ」
地の底から響く亡者のごとき唸り声にも、ジュエリエッタはどこ吹く風。
一方でアカらは口を挟めずいた。
常のジュエリエッタからは想像のつかないレベルの罵倒合戦に、ちょっとした衝撃を受けていた。
そしてもうひとり、アンカラカの隣に立つ少女は呆れかえって物も言えないと全身で表現している。
その態度が気に入らず、苛立った語調でアンカラカが少女に向かって声を荒らげる。
「カヌイ! 貴方はあたくしの護衛でしょう、敵です殲滅しなさいな!」
「ちがくてー。アタシはただの案内人、守るとかが役割じゃないんだってば」
何度もゆったじゃんかー、と面倒そうに受け流すその少女は、アオやキィと同年代に思えた。
肢体は大人びて魅惑的だが、その顔立ちは美しいというよりも愛らしさが勝る。
純粋なほどに輝く金色の瞳は真っすぐで、汚れから遠い稚気を感じさせる。
大人と子供の狭間で、その両方の魅力を兼ね備えた少女であった。
だがその少女について驚倒すべきはこの極寒の中でも当たり前のように薄手の様相をしていること。
魔術学園のセーラー服にも似た薄手の、それも夏服半袖の姿は見ているほうが寒々しい。
極寒であろうと自らのコスチュームを曲げない奔放さ、それは彼女の動きに合わせて揺れている三角スカーフもまた表しているように思えた。
最大の驚き――なんと愛らしい
上着の丈が短く、スカートとの間に隙間が存在し、そこからちらりちらりと肌色が垣間見えるのだ。
そのせいでこの零下の大地でおへそが見えるのである。
それはつまり、常時なんらかの魔術で体温を保全できているということ。寝ている間でさえも、だ。
アンカラカでも充分に手練れであることが予想できるのに、この少女はさらにその上。魔術師としての技量に疑いの余地はない。
感心する一方で、アカの最も注視している点は別にあった。
それは、ツーサイドアップの茶髪に走る
「…………」
少女は億劫そうにしながらも、確かに目の前に突如現れた不明の団体を捨ておくわけにもいかなかった。
彼女にも、立場と役割がある。
「あー、えっと。それでだれなんスか、きみたち」
「あなたが
「そうだよ、アタシは尽滅のカヌイ! よろしくー。そんで、そっちはだれなん」
尽滅のカヌイ――最年少にして最新の月位九曜、その色相は橙。
問いに問いを返されても素直に受け答えする人の好さ。びっくりするほど綺麗に笑う様。
善人なのだろうな、とアカは思い、ならばこちらも敬意を失するわけにもいかない。
「私はアカと申します」
「クロよ」
「アオ」
「キィです」
「ハズヴェントだ」
「ジュエリエッタ」
一斉の自己紹介に、少女は結わった髪を揺らして困った風。
「……んん。ちょーっと怒涛に名乗られても覚えらんないかなー?」
ただカヌイは興味深そうに全員の顔を見回して、迷いなくアカを選んでにっこり笑いかける。まるで邪気のない、純粋な笑み。
「この結界ってお兄さんのでしょ? すっごいね! こんなに安定して綺麗な術、はじめてみたかも!」
「お褒めにあずかり光栄です」
「えぇー? そんなかしこまんないでよー、もっと気楽にしてくれなきゃ喋りづらいじゃーん」
「え、は……その。すみません」
「あはは! いいね、お兄さん、お兄さんみたいなひと好きかも!」
「っ」
その時、少女カヌイの瞳に狂的ななにかを垣間見た気がするが、ほんの一瞬で気のせいとするしかなかった。
言葉に嘘はなく、態度に偽りはない。この少女の本性そのままなのだろう。
だがかと言って、見せ尽くしていないなにかが、尽滅のカヌイには隠れ潜んでいる。
それに気づいた様子もなく、弟子らがふとそれぞれの感想を漏らしていた。
「あれが、案内人なの?」
「現代最強……」
「思ったよりノリが軽そう」
「やはー、そんな褒めないでよー」
「……褒めてんのかそれ」
ハズヴェントまで突っ込みに回るというのは、それだけカヌイへの警戒度合いが下がっているということ。
いや、それともジュエリエッタとアンカラカの睨み合いから心持ち遠ざかりたいだけかもしれない。
そこで、カヌイがあっと声をだす。
「あ、でも知ってる名前あったじゃん。ジュエリエッタ――偽命のジュエリエッタだっけ? 手配書回ってるひとじゃーん!」
「そうですのよ、カヌイ! 彼女は協会の裏切り者、唾棄すべき罪人! いますぐ殺してしまって構いませんわ!」
「んん?」
ここぞとばかりにアンカラカの声が大きくなるも、そこにアカが待ったをかける。
「待ってくださいませんか、話を聞いてください」
「いいよー。ゆってゆって」
「ありがとうございます。私たちは協会の会長の依頼を受けて、そこの方――威命のアンカラカ氏の捕縛にまいりました」
「……なんでアンカラカを捕まえるのさ」
「彼女にはこちらのジュエリエッタさんを不当に貶め、濡れ衣を被せたとの調査報告があがりました」
「へぇ、おもしろそー」
事の真偽を問うように、カヌイの純真の瞳がアンカラカに向かう。
アンカラカは嘲りとともに否定を断ずる。
「馬鹿な。会長からの依頼ですって? どこの馬の骨とも知れない魔術師に、そんなことがあるはずがないでしょう。でっち上げに決まっています。
依頼されたという証拠でもあるのですか。その調査とやらが事実であると、なにか証でもあるですか?」
「それは……」
口ごもるアカに、むしろ驚いたのはハズヴェント。
「え……ないの? 旦那ないの?」
「ありません……」
「うぉーい、あんたって人はよぉ!」
正式である。直接の依頼である。紛うことなき事実である。
それを疑う輩はアカの傍らにはいない。
だが、しかし――他人はそれを信じない。
「ほんっとに、根回しとか工作とかそういうの下っ手くそだよなぁ! なんでマジで会長に会って依頼を受けてんのに身の証になるようなもんを用意してもらってねぇんだよ! ばーか、ばーか!」
「返す言葉もありません……」
そういう思考が根本から存在していない。
心の底のほうで対話で大抵の揉め事は解決できると思ってる。
もちろん、カヌイの返答はこう。
「うーん。さすがに会ったばっかのひとの言い分を証明もなしに信じるのはちょっとないかなー」
「ぐっ」
「なんで歯噛みしてんの旦那。当然の対応だからな?」
「フラットな状態ならまだしも、対話に応じてもらうにはワタシがちょっと邪魔になっているね」
ジュエリエッタは協会に指名手配されている魔術師だ。それも元九曜の裏切り者ということで、だいぶ目立ってしまっている。
そんな彼女と共にある一行というのは、それだけで非常に胡散臭いと言わざるを得ないだろう。
ましてアカは素性を明かせず、そして他三人はその匿名希望の弟子という。
素朴で素直な少女に信用をしてもらうには、諸々難儀である。
「いやちょっと待て! おれがいるじゃん、おれ! おれ王国の騎士! 真っ当で信頼できる職業でしょ!」
そこで物申すのはハズヴェント。
唯一、自分は正規の人間。表にも地位をもって顔が知れて――
「知れていないでしょう、あなた」
「う」
この七年間、アカの監視として片田舎でぐうたらしていた男である。
無論、その間は王都に顔を出すこともなく、他の任務に従事もしていない。
年若い九曜の少女が彼を知っているとは思えない。
だが一縷の望みに賭け、ハズヴェントは引き攣りながらも自分を指さし。
「お嬢ちゃん、おれのこと……知らない?」
「だれおじさん」
「おじっ……おじさん……!」
大ショックを受けがっくしと肩を落とす。
アカはお兄さんなのになぜ自分はおじさん呼ばわりなのか……世の不条理はいつだって嘆かわしい。
していると対面のカヌイはどうにも困り顔で思案顔。
「んー? ごめ。アタシあんま頭よくないじゃんさー。こういうときはボコってから話聞くってことにしてんの。マジごめんね」
向こう勢力の敵味方の判別がつかないので無力化してから事情を聴く。
冷徹のようで合理的なだけである。
「まぁ、おれでもそうするわな」
「仕方ありませんね」
立ち直りの早いハズヴェントとアカはそれを理解し、交渉での解決は不可能と結論する。
よって、ここからはもっと野蛮で単純な――実力行使。
「えっ。なによ、結局、説得は失敗なの? 戦うの?」
そこで雰囲気の変化を察してクロが慌てる。
頭に来る相手ではない。憎しみも恨みもない相手。なのに、戦わねばならないのか?
「そうなりますね」
「あきらめるの早くない?」
「責任ある立場ですと、どうしても相手の意向よりも自身のスタンスを優先せねばならないものですから。むしろこちらの意見を聞き入れて殺害の選択を消極的にしていただいただけ心優しい方ですよ」
「……むずかしいわ」
クロの中では、戦闘行為は相手の否定だ。
だからこそ、別段に嫌ってもいない者に攻撃を仕掛けるということに多少のズレを感じる。
アンカラカはともかく、カヌイという少女にクロは悪感情を持ててはいなかった。
まだ理性で納得した戦いというものを知らないがための違和感である。
アカはそれも含めて、ではという。
「尽滅のカヌイさん、あなたの相手は私が務めましょう」
「え……先生?」
驚くクロに笑いかけ、諭すように。
「戦う相手がみな嫌いな人種であるとは限りません。好ましい人柄で、友人になれそうな相手でも、立場が違えば争うことはあるでしょう」
「うん」
「それを学ぶことができただけで今回はよしとしましょう。彼女は私が引き受けます」
そうまで言われては、クロはなにも言えない。
むしろ、文句があるのはカヌイのほう。
「マ? お兄さんひとりなん? それはちょーっと舐めてなーい?」
「申し訳ありません、私ていどでは不足かもしれませんが……どうか、お願いできませんか。あなたほどの才能、一度じっくり観賞しておきたいのです」
「褒められてもなー」
「相手にとって不足あり、ですか?」
どうにも乗り気でないカヌイのため、アカはすこし力を開放する。閉じていた魔力を開いてわかりやすく自らの実力を晒す。
魔力圧が領域内を駆け抜けて、物理的にはなんらの影響もないはずなのに誰もが強風にあおられたように感じた。
その中心で、アカは変わらず微笑んでいる。
まだまだどんどん上昇していく魔力の昂ぶりに、カヌイの目がゆっくりと見開いていく。
「パねー! お兄さん何者? 全然不足ないじゃーん!」
「ありがとうございます。では、お付き合い願えますか」
「そんな熱烈に口説かれちゃったらしょーがないなぁ! カヌイちゃんが付き合ったげる!」
「では、そのように」
カヌイの了承は得た。
あとは――
「旦那、それあんたの悪い癖だからな」
ハズヴェントが不服そうに腕を組んで半眼で睨む。
アカの急で勝手な行動を咎めるように。
だが、当人は苦笑であった。
「それも、あるのですがね」
今回は、またべつに理由があって。
アカはカヌイへと視線を戻す。
――明るいオレンジの髪をした、心優しい、橙魔術師。
それは、かつてアカが――
思考を打ち切る。
今はそれはもうどうでもいい。
「わかっていますが、今回はあなたがいるからこそです――こちらはお願いしますよハズヴェント」
「無茶ぶりばっかかましてさ。ほんと、困るぜ」
カヌイは橙魔術師、破壊の使い手。
その威力は甚大で範囲は広大。
下手に近くで力のない者がいては余波だけで消し飛ぶのは明白だ。
クロだけでなくおそらくアオやキィであっても、巻き込まれたら命が危うい。
アカとしては避けたい事態――この場を離れてふたりきりでというのが理想である。
しかしそうなると弟子らを残してしまう。
状況を静かに観察する、アンカラカの前にだ。
それを対処してもらうのが。
「ま、あれひとりくらいならおれがなんとかする。旦那も早いとこケリつけてくれよ」
「善処します」
「ホントかよ……」
イマイチ信用ならない。
一応こっちも深刻な問題というか過酷な土地にいるというか。
「あんたが早く帰ってきてくれんとドラゴンとかが……」
「あぁそれでしたら」
「ん?」
ふと小声になり、アカはもうひとつこの場を離れる理由を説明しておく。
「そろそろ空の彼らも痺れを切らす頃合いですので、私のほうに誘導します」
アカを探す無数の竜どもが、見つからないことに業を煮やして所かまわず周辺に攻撃を加えだすと困ってしまう。
今の結界は、目晦ましであって防御能力はもたないのだから。
ならばいっそ、引き寄せてしまうのも手ではある。
ハズヴェントはすぐにそれを理解し、神妙になって眉を顰める。
「……そりゃ戦えば居場所アピールしちまうわな。じゃ、あんた囮を――」
「囮というより、誘蛾灯といいますか。ともあれ数を減らしておきますので、その間に先に大陸の外へ向かってください」
「おーう、おっかねェ。そりゃ確かに囮とは言わんわな」
気負いのないあっけらかんなアカの台詞に、ハズヴェントのほうも肩の力が抜ける。
カヌイと戦うことで必然魔力反応は目立ち、竜どもが押し寄せてくるだろう。
それを理解した上で、カヌイも含めて蹴散らしておくとアカは言っている。豪胆というべきか恐るべしというべきか。
であれば、九曜ひとりを打倒すればいいだけのハズヴェントなんて随分と楽な作業じゃないか。
腹を抱えて笑いたくなったが、さすがに抑え込んで、ともかくアカの出立に手を振る。
「んじゃ、がんばれ旦那」
「ええ、お互いに。
――アオ、キィ、クロ」
そこで、アカはハズヴェントから視線を切って弟子らに向ける。
急な方針変更に、彼女らは目を白黒させて未だ飲み込み切れていない様子。
そこはかとなく申し訳ないが、時間もないので手短に告げる。
「すみませんが、すこし離れます。ハズヴェントやジュエルさんの言うことを聞き、臨機応変に。必ず死なないよう、先に進んでおいてください」
「わかってるよ、こっちは大丈夫」
「だから、センセも無事でいてね」
「負けたら承知しないわよ」
「ええ、肝に銘じておきましょう」
最後に、もうひとり。
後回しにしてしまったが、今回のある意味での主賓に向けて。
「ジュエルさんも、こちらのことはお願いします」
「ああ、万全の期待をとは言えないが、全力を尽くすよ」
「ならば安心です」
「あなたの期待は、重いなぁ」
草臥れたように笑う。
だがそれは決して否定ではなく悲観でもない。
引き受けてくれたからこそ、重さを実感してくれている。
「……」
信頼できる友人に託すことができる。
切迫した仕方のない事情が立ちふさがって。
弟子らも力をつけてきた。
今までのアカならば、これだけの条件が重なったところで彼女らと別れて行動する決断ができただろうか。
おそらくできなかった。
今だって不安は尽きない。後悔の予感をひしひしと感じて、いろんなものを無視してとどまりたいと思う。
けれど信頼――それもまた大事なもの。
ここで信じてやれないでは、きっと彼女らの先行きに不安が残る。
師が弟子を信じていないと、弟子が自らを信じられなくなってしまうものだから。
故にこそ落ち着き払って、泰然と――アカは弟子らに背を向けてカヌイに向き直る。
「さてお待たせいたしました。では、行きましょうかカヌイさん」
「……えー? もうちょっといい感じにエスコートしてほしいかなー」
「その手の分野は不得意でして……申し訳ありませんが無理やり」
「きゃー、女の子を無理やりだなんて
「あなたのその
「へ?」
瞬間、足下に展開された青い魔法陣によって、尽滅のカヌイはあっという間に吹き飛ばされていった。
続くように、アカは自らの足元にも同じ魔法陣を展開し、また同じく掻き消えるようにして空の彼方へと跳んで行った。
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