再読につき、レビューを投稿いたします。
ぱっと目に飛び込んでくるのは、文章の美しさ。鮮やかかつ透明感のグラデーションがかかった画。宝石色の色彩で描かれた一枚の。それは世界をモデルにした風景かもしれないし、集合絵かもしれない。
エンタメに振ったような派手な展開ではないけれど、各キャラの背景・過去・人生などをじっくりことこと煮込んだ印象です。
抱えている秘密・事情をきちんと掘り下げた上で、きっちり着地させてきました。全ての因縁が一つの舞台に集まり、収束する構成です。
仇で敵だけどそれだけではない関係が好きなので、割とどストライク。
普通なら悪役であるはずのキャラの視点が描かれ、憎めない印象を受けるのが独特なところ。それが群像劇である空気を強めています。
主人公はピュラですが、実は話が動くときはユリア関係。最初から最後まで話の中心。ユリアたちと出会って物語が始まるのは妙な構成。(古語的な意味。変と言いたいわけではない)ヒロインだな。
初見時、印象に強く残ったのは莠でした。かなり細かく濃く、よく描かれていました。あきらかに裏主人公だろと分かります。
この作品の魅力の何割かが莠というキャラクターと、その人生・成り立ちが担っているのではないかと、今でも思います。
主要敵として酷使されている影響で存在感がありました。
しっかり読み込んだ後だとその結末に、果てに、「読んでよかった」となります。本当に感慨深い。