“幼なじみ特別編”第一弾 不器用な男~青春旅情編『無人駅で初恋の人を待ち続ける女子高生』
まいど茂
第1話 真一の現在と新型コロナウイルス感染症(プロローグ)
2019年秋、不器用な男・
真一とみつきは、2019年の春に真一の実家を出て実家近くのアパートに引っ越して、夫婦で生活している。
11月、3連休を使って真一とみつき、それにみつきの職場の同僚である梶山の3人で東京へ旅行する。しかしこの旅行には秘密があり、梶山に事前に旅行の行き先を話すと、いろんなところで喋るため、みつきの立場的に支障が出るため、梶山には旅行当日まで秘密にしている。
みつき「梶山、今回の旅の目的地わかる?」
梶山「今晩、前泊するんやろ? とりあえず京都へ行くんやなぁ?」
みつき「そうやで」
梶山「うーん…、わかりません」
木曜日、仕事を早く終えた真一はアパートに帰り、みつきと事前にアパートにやって来た梶山が待っていた。そしてすぐにアパートを出発し、真一が運転する車で一路京都へ向かう。京都市内の駐車場に車を停め、そこから普通電車で京都駅に向かう。
京都駅に到着した3人は、コンコースで話す。
真一「梶山さん、お待たせしました。それでは今回の旅の目的地についてお知らせ致します」
梶山「お待ちしておりました。前泊ですよね?」
真一「えぇ…。では今回の旅の目的地のキップをお渡しします。キップに行き先が書いてありますので、見てください」
みつき「どうぞ、見てください」
真一が梶山にキップを渡す。
梶山がキップをガン見する。
梶山「えっ? 東京?」
みつき「はい」
梶山「東京ですか(笑)」
真一「そして、これから東京行きの新幹線に乗ります」
梶山「えっ? 京都で前泊ではないんですか?」
真一「はい。これから東京に行って、全日とも東京宿泊となります」
梶山「いやー、これから東京に行っちゃうんですね(笑)」
真一「じゃあ新幹線乗り場に行きますか」
みつき「行こっか」
梶山「参りましょう(笑)」
その後、真一たちは東京へ向かい、今回宿泊するホテルへ向かい、チェックイン後すぐに寝る。
翌日金曜日は、『夢の国』と言われているテーマパークに終日楽しみ、土曜日は東京散策と夕方からもうひとつの『夢の国』を時間の許す限り楽しみ、日曜日は東京競馬場で競馬観戦、最終日はお土産を物色して旅を終えた。真一は旅をすること自体は変わらないが、みつきと交際してからは基本二人で旅をしていた。このときは、みつきのリクエストと、真一の東京競馬場リベンジ観戦が目的だった。そして、みつきの職場の同僚・梶山は、みつきが真一と交際してから旅行に行くことが多くなったため、自分も旅行に行きたい旨、真一に相談して3人で旅行に行くこともあったのだ。
東京旅行から1ヶ月が経とうとするある日、真一は冬のボーナスが出て、年末の大掃除をしていたときだった。みつきから相談される。
みつき「真一、相談があるんやけど…」
真一「なんや?」
みつき「実は、アイドルグループのライブが大阪開催は大晦日で、行かれへん(行けない)から、グッズを買いたいんやけど、東京ドーム開催が再来週なんやけど、行けないかなぁ?」
真一「グッズだけ買いに東京行くの?」
みつき「それで、それだけではもったいないと思うから、真一も行きたい所があるやろし、それに『夢の国』もおかわりしませんか?」
真一「お小遣いは?」
みつき「私は何とかできるけど、真一は?」
真一「まぁ、この前ボーナスが出て、次回の旅行資金を確保してるから、なんとかなるけど、先月みたいな豪遊は出来んで(出来ないよ)」
みつき「行ってもいい?」
真一「…しゃあないなぁ(仕方がないな)。わかった」
みつき「ありがとう。すんません」
ということで、急遽東京行きが決まった。ホテルもなんとか抑えた。
翌週木曜日、真一とみつきは11月に行った時と同じように、夜、京都まで車で行き、京都から新幹線で東京へ前泊した。
翌金曜日は真一が事前に有給休暇で『夢の国』テーマパークへ行って、みつきご贔屓のキャラクターに初めて出会い感動していた。
翌土曜日、中山競馬場へ競馬観戦し、その後みつきの本丸の目的だったアイドルグループのグッズを買いに東京ドームへ行った。
ホテルに戻り、テレビを点けるとニュースをやっていた。中国・
東京追加旅行から戻り、年末を迎え、あっという間に正月を迎えた。2020年の幕が開けた。
1月5日、真一、みつきと梶山は京都競馬場にいた。中央競馬の新春競馬『京都金杯』が行われる為、『お年玉』を貰う口実で観戦に来ていた。
この日は、同時開催の中山競馬場(千葉県)でも『中山金杯』が行われる。
『小手調べ・ウォーミングアップ』のつもりで中山1レースの馬券を買った3人。すると真一が的中し、払戻金98000円を持ち帰る。その後も真一は『金杯』の馬券を的中させ、幸先良い2020年のスタートとなった。
ところが、世の中は『新型コロナウイルス感染症』が蔓延し、各国にも感染が広がっていた。中央競馬も2月末より『無観客競馬』として続行されることになり、競馬場に足を運ぶことができなくなった。
一方、真一の仕事も多忙を極めていた。マスクや消毒液がメーカー欠品をおこし、代替え品の対応に追われる日々が続いていた。
政府が『緊急事態宣言』を発令し、自粛期間が始まった3月のことだった。真一がある出来事に遭遇する。真一はこの後、衝撃的な経験をすることになるとは、この時想像すらしていなかった。
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