村八分にされた女の幽霊

クラットス

前編

「今日の授業は皆の住む町の歴史を知ろうということで、視聴覚室で動画を見ようと思います」


そう言ったのは、このクラスの担任の先生であった。


「自分達が住んでいる町の歴史、一体どんなの見るんだろうね類くん」


男女で二つの列に並びながら、視聴覚室に向かっている時、隣で歩いていた愛野秋ちゃんがそんなことを話しかけてきた、


「俺たちが住んでいる町の歴史かぁ、特になにかと言うものが思い付かないな、思い付かないということは知らないことだから楽しみでもあるな」


類は、そう話していると、視聴覚室につき先頭を歩いていた先生が視聴覚室の鍵を開けた。


***


視聴覚室に、クラスの皆が席に着くとすぐに、動画が流された。


その動画には、大勢の大人達に囲まれて一人の女性が滅多打ちにされている動画が映し出された。


「なんだ、これは」


そう呟いたのは、類だった。

その動画で思ったのは、ひたすら女の人がひたすら袋叩きに会うだけの動画だったのだ、それに対して、これのどこが歴史を知ることに繋がるんだと内心思っていると。


その、動画を40分は見ただろうか、ずっと叩かれはし監禁され、水に顔を着けて息ができないようにしたり、まるで拷問のオンパレードかのような映像が流され続けれた。


最後に井戸が映し出された瞬間、先程の女の人が井戸の所に連れてこられた瞬間、女の人はその井戸の中に落とされた。


「なんだこれ」


呟いたのは類だった。

類は、その後回りを見ると、動画を見たくないという拒否反応を示してる児童もいた。


それもそう、小学生に見せるものではないと子供ながらに類はそう思っていると。


「ちゃんと見ろよ」


と、ドスの聞いた声で担任の先生が言った。

すると、先生は横を向いたり、下に伏せたりしていた子を立たせ一人ずつ人格を否定するような言葉を浴びせていた、そのせいか子供達は目に涙を浮かべたり、すでに声を出し泣いてる者もいた。


そんなことをしていると、チャイムがなり響いた。

そのチャイムが、なると先生はキョトンとし、授業を終わらせるようクラス委員に終わりの号令を促し、その授業は終了した。


「おいおい、見たか類」

そう言いながら近づいてきたのは、村田悟だった。

先程の先生の立ち振舞いのことだろうと類はその話で返した、

「あぁ、いつもの先生って感じじゃなかったな」

と言うと、

「ちげーよ」

と、返されると

「あの動画に映っていたあの井戸、あれ、例の立ち入り禁止のテープが貼られた先にあるんだぜ」


類は、この男は他人に興味は無いのかと思いながらも、村田の話を聞くと、確かに立ち入り禁止の貼られたあの先に井戸があると聞いたが、実際に入ったことはなかったので、


「なんで知ってるんだ?」


と聞くと、


「ドローンにカメラを着けてを上空に飛ばしたら、あの井戸と同じものがあったんだよ」


呆れた男だ、と類は思いながらも、その話を自分にして何があるのかと村田に聞くと。


「行こう!」


と言われた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る