第12話 忠孝仁義
「不味い」
紅茶は大不評だった。
「紅茶のひとつも満足に淹れられないの? 特別に私が手ずから淹れてあげますから、そこで『待て』しときなさいな」
「む……」
「悔しかったらきちんとできるようにおなりなさい」
嫌味のたっぷり入った紅茶を飲んでいると、
「
麻璃亜が物騒な話をはじめた。
「我が
「ほう」
冗談じみた話だが、麻璃亜は至って真面目だ。
「屋敷は多重結界が施されているから余程のことがない限り大丈夫。だから駄犬、貴方は登下校中と校内で、私を護るの。いいこと? それが貴方の仕事」
「わかった」
『お嬢様! 護りは我のみで十分ですぞ!』
「ガールードがいないと私が困るわ。この駄犬は
『成程。そういうことでしたら納得でございます』
「汚ねえ話だ」
「囮の話? 悪いわね、駄犬。私のために、死んで」
「いや、汚ねえってのは麻璃亜サマの話じゃない。麻璃亜サマみたいな女の子を狙うクズ共のことだ。――約束する。俺が護ってみせる」
「駄犬……」
『ほざけ! お嬢様を護るのは我よ!』
「
有難いお言葉をどうも。
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