第06話 忠肝義胆

「そろそろ本題に入るとしましょうか」

「本題?」

「魔女に貸しを作って何も無いなど有り得ない。駄犬でもわかるでしょう?」

「借りを返せと?」

「そう。嫌だと言っても取り立てま――」


「いいよ」


「――すわよ……って、はい?」

北高キタのバカどもは手加減なんてしないからな。あのままだったら死んでたかも知れない。助かった。有り難う。貸しって言うなら何でも言ってくれ。俺に出来ることなら何でもする」

「……」


 魔女は無言。

 何やら難しい顔をしてる。


「……早く言えよ」

「なんでも、と仰ったわね」

「ああ」

「男子に二言は」

「無い」


 俺は断言した。


「それでは」

 と前置きをして、

 南天城麻璃亜は、

 傲慢に、

 不遜に、

 尊大に、

 こう告げた。


「貴方、私の、飼いイヌにおなりなさい」

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