第2話

クリスマス当日。

朝の6時過ぎ、俺はまだすぅすぅと寝息をたてながら横で寝ている春香を起こさずベッドから出る。彼女の寝顔も可愛くて素敵だ。ずっと見ていられる。

部屋に暖房器具は置いてない。11月にはいってから本格的な寒さが到来した。春香に暖房器具を買わないかと相談しているが、瀬尾君とくっついてたら大丈夫だよと言って買わないままだ。

まあ、俺も春香とくっついていたいと思うけれど、年末のこの頃の寒さには勝てない。

寒くて、手が悴んでいる。手のひらを擦り合わせ、小さな台所に向かう俺。小さな鍋に水を半分まで入れ、温める。

最近、目を覚ましたら白湯を飲むことにしている。春香から聞いて飲んでいる。

ブクブクと沸騰してきて、持ち手がハートの形のお揃いのマグカップに白湯を注ぐ。

マグカップを机に運んで、春香を起こす。俺は躊躇わず春香の頬にキスして名前を呼ぶ。

「せ...瀬尾君。はぁーあ。おはよぉー」

彼女は、まだ寝たりないような大きな欠伸をして、可愛い声で挨拶をしてくれる。

「おはよう。春香、今日はデートの日でしょ」

「そうだったよ、瀬尾君。クリスマスだね」

彼女はデートと聞いて声を弾ませる。

「そうだよ。白湯が冷めるよ」

「瀬尾君、ありがとう」

彼女は白湯を口に含む。

「あたたまるねぇ、瀬尾君」

彼女に同意して、頷く。

テレビを観ながら、彼女が言ってくる。

「私をぎゅっと抱き締めて」

俺は後ろから腕を伸ばし、彼女の身体を抱き締める。昨日の夜にも彼女を抱き締めたから、昨日の感触が蘇る。

「瀬尾君に抱き締められてると安心する」

「俺も同じだよ」

こんな感じで時間が過ぎていき、9時を過ぎた頃に外に出てデートが始まる。

小さな駐車場に停めてある春香の車に乗り込む。運転席には俺が座り、助手席に彼女。

今年の夏休みに免許証がとれて、運転する。

俺は、エンジンをかけて、車を発進させる。

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