第3話無双勇者完結!?


昼食の麻婆丼(まあぼおどん)を食って寝転がる。こうやって寝転がっていると昨日のことが鮮明に感じられた。


 冴子、いい子だよなぁ。あんなにいい子だから僕はとても安心できる。昨日が生まれて初めてのデートとは思えないくらいリラックスすることができた。


 元々、神経が図太いだけ、という声が聞こえそうにもなるがあえて、それは無視した。


 あの時は昼食を食べ終えて、お代わりのコーヒーを頼んで一服して喋っていたら(僕が一方的に喋っていた)5時がきて、その場でお別れになった。


 普通の女子だったらここで、連絡が来ないということもありうるが、今朝もクロスで連絡を取り合ったから大丈夫でしょう。


 歯磨きをして、そのままスマホをいじる。バブルを開くとある記事が目についた。

 無双勇者完結。

 大人気ライトノベル『俺、異世界で無双勇者目指します☆』が今月9月末の発刊日をもって完結と。ネット界隈(かいわい)ではこのトレンドご大盛り上がりになっている。


 僕は、部屋の片隅にいつぞや放り投げた、無双勇者の第1巻を取ってみる。そして、読む。ついていけれない。


 まあ、文章は悪くないんだけどさ。なんかゲームみたいにスキルとか出る設定についていけれないというか。はい、まるでついていけれません。


 ハーレムあるし、ラッキースケベもあるしで、もうまるでついていけないな。

 なんか昔のライトノベルとは決定的に違う気がする。


 昔は、ハーレムとか、ラッキースケベとか、無双とかあったけど、何より大切にしていたのは作品の完成度。その作品のどれだけ内部で高い純度(じゅんど)を保ちつつ世界観を作り上げるかを重視していた気がする。


 でも、今流行りのおライトノベルは、記号ありき。

 記号的に、この作品にはこれやこれがついています、というとてもダメな作品を作っている気がする。


 小説が売れていないからそういうことをしているんだと思うけど、僕から言わせれば全くなっていないよ。


 そう思いながら、俺は寝そべって、少し昼寝をすることにした。

 もう、僕の作品は完成したばかりで後は投稿するだけ。なので、今が一番だらけて良い場面なのだ。

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