私はもう一度東京ディズニーシーで告白します

リュウタロウ

第1話

「私さ山田のことが好きなんだよね 良かったら付き合ってください」

 「菜山ありがとう 気持ちは嬉しいけど 答えれないな 友人としてこれからもよろしく」

 「あっそうなんだね」

 「でも気持ちは嬉しかったよ」

 

  2014年11月15日 私は東京ディズニシーのSSコロンビア号の前で同級生である山田魁輝に告白したがフラれてしまった。こんな経験は生まれて初めてであった。

 

 

 

  東京ディズニーシーから一週間が経った。海遊(みゆ)は、この思いが経ち切れなかった。

  

  

 (一週間経っても、この想いは全然変わらないな こんなに好きだったなんて 授業も部活も集中できない)

 

 

 「では菜山さん一段落のこのitは何を指していますか?日本語でいいので答えられますか?」

  英語教師の片山に海遊は当てられた。

 「えーと分かりません」

  海遊は当てられた瞬間、即答した。

 「じゃあ和田くん分かるかな?」

 「はい 人体です」

 「そうだね 正解 ここは」

  海遊の代わりに他のクラスメートが当てられ、和田が答えた。

  

  4時間目の英語の授業が終了し、ついにお昼休みになった。

 

 「海遊さちょっと元気ないよ朝から」

 「えっそう?」

 「なんかあった?」

  幼馴染であり、友人の小宮雪美が海遊の心配そうにしていた。

 

 「いやちょっと話すの辛いな」

「あんたと0歳から幼馴染でしかも高校まで一緒の私に隠し事しても無駄よ」

「まあどうせすぐ分かっちゃうから話すよ」

「もう最初からそうすればいいのに」

「雪美うるさいよ」

「はいよごめん それでどんなことがあったの?」

「実はさ 2組の山田魁輝にディズニーシーでフラれた」

「えっ告白したの?まじで」

「声が大きいよ」

 海遊は雪美にディズニーシーで告白してフラれたことを打ち明けた。

「なるほどね 告白したんだね すごい勇気だね」

「ありがとう」

「実際さ今の気持ちはどうなの?」

 雪美は海遊に気持ちを聞いてみた。

「うーんまだ好きなんだよね だからもう一度告白しようかなとか考えてる」

「まじか」

「うん でも今すぐ告白するのはちょっと早すぎるかな?とも思ってて」

「早いよ告白してどのくらい経ってるの?」

「一週間だよ」

「まだ一週間?それだとしばらく先だよ」

「そうだよね」

「うん 告白するとしても7か8か月は空けないと」

「そうだよね かなり空けないとだよね」

「二回目に告白するってそれくらいのことだからさ」

「雪美の言う通りだね フラれてからさネットでめちゃくちゃ調べててね」

「どんなことを調べてるの?」

「二回の告白までのプロセスみたいなものかな」

「そうなんだ まじで本気なんだね」

「うん そうそうずっとネットでそういうの調べてるんだよね しかもさフラれてからが勝負とか書いてあっていけるかなとか思ってしまって」

「なるほどね ただちょっとネットの情報だけになってるから少し考え方甘いかなと思う」

 雪美は少し海遊に強めの口調で言った。

「考え方甘い?」

 海遊は雪美に聞き返した。

「うんちょっと甘いな ネットの情報だけではなく 自分でいろいろ考えてみたりするのも大事だからさ もちろんネットの情報源も大切だけどね」

「なるほどね分かったよ」

 海遊は雪美のそのアドバイスに納得した。

「あとは 二回目の告白もディズニーシーで告白するのがいいと思う」

 雪美は二回目の告白もディズニーシーを勧めた。

「もう一度ディズニーシーで?」

「そうそう ディズニーシーで告白なんて夢みたいだし なんか海遊らしさがある」

「それはありがたいけど というより もう一度行ってくれるかというのが不安なんだけどな」

「まあそこはまた考えればいいじゃん」

 二回目の告白も、もしかしたら失敗するかもしれないという海遊の不安を雪美は楽観的にやわらげた。


「その時はその時だし」

「だよね じゃあこの後はどういう感じに進めていくの?」

「おお よくぞ聞いてくれたね 二回目もディズニーシーで告白するから

 ここをまた同じように進めていくとなると ディズニーのような企画をすることかなと思う」

「ディズニーのような企画?」

 雪美の急な考えに対して、海遊は驚いていた。

「そう ディズニーのような企画をして山田になんとか振り向いてもらうの」

「こんなんで本当にうまくいくの?」

 雪美のこの提案に対して、少し海遊は疑問に感じた。

「企画を考えてから それを実行次第だけど やってみてから考えるしかないかなと」

「だよね じゃあとりあえず考えよう」

「急に乗る気になったね」

「まあうまくいくか分からないけど 乗り越えるためにはこういうのも必要だと思うからさ」

「おお その勢いでいくしかないよ」

「雪美のこと信用してるし」

「ありがとう」

 2人はディズニーのような企画、海遊の二回目の告白につなげるための企画を練った。

 放課後、2人はさっそくカフェに行き、企画を考えていくことにした。


「じゃあさっそく考えようか」

「うーんいきなりはアイディアは出ないな」

 海遊は少し企画の内容について悩んでいた。

「コンセプトはディズニーのような感じだし それを基に考えればいいかもしれない」


 企画を考えて悩んでいる海遊に雪美はアドバイスをした。

「確かにそう考えればいいね」

「まあ企画とか考えるのは難しいしね」

「やっぱりそっか」

「そうそう テレビでそう言ってた」

 何も知らない海遊に雪美は教えてあげた。

「なるほど 私さ自分で言うのも変だけど ルックス 頭脳 ファッションセンスとか制服の着こなし方 制服についてはおしゃれにスカート丈短いし 男子が2度見ちゃうほどだし これでも全然行けると思うんだけどね」

 雪美は少しあきれ顔だったが、海遊のことを理解しているのでそこは特に気にしてはいなかった。

「まあ 人によってだし まさかあんたのその自分の自我が出すぎてしまったんじゃない?

 そういう性格が告白でフラれた原因とか?」

「うーんそれはないとは思うけど どうなんだろうね」

 海遊はそこについては否定したが、実際どんな原因かは分からないままだった。

「告白はふった本人しか分からないことがあるしね」

 その後、雪美もフった本人しか分からないということも言っていた。

「でもちゃんと応援してるから海遊のこと」

「ありがとう」

 


2人は、企画のことを一緒に考え、アイディアを練っていった。




次の日の放課後も、海遊と雪美はカフェに行き、海遊の告白大作戦のディズニー企画を考えていた。

「海遊どう企画?」

 雪美が海遊に聞いた。

「うーん全然だよ こういうのってさ意外と難しいね」

「まあね 企画ってやっぱりやる側も楽しんだりしないとがほとんどだよね」

 雪美が海遊に企画の本音をもらした。

「なんか企画とかは少し文化祭とか体育祭の企画に似てるとは思うけど ディズニーってさそれをやっぱり超えるじゃん」

 海遊が企画について少し語った。

「そうだね」

「だから一度ディズニーとかテーマパーク行ったりしてさアイディアとかもらうのもありだと思う」

 海遊は企画のためにあえてディズニーに行って体験したり、感じたことを企画に取り入れていくことだと思い雪美に聞いてみることにした。

「おお いいねそれじゃあさっそく行ってみるか うちの高校からディズニーとか近いし」

 雪美も乗る気で、2人はディズニーに放課後向かうことになった。


「よし学校終わった平日だからスターライト?で行けるかな」

「多分大丈夫だと思うよ」

「じゃあダッシュで行こう」


雪美が早めに学校を出たくて仕方なかった。

「雪美の学校早く出たい感じが伝わってくる」

「だってディズニー早く行きたいし」

「気持ちは分かるよ」

 海遊が雪美に共感した。

「大丈夫安心して 本来の目的は忘れてはないからさ」

「雪美分かってるよ」

「よしじゃあディズニーへレッツゴー」


 放課後、海遊と雪美は制服姿のまま、ディズニーへと向かった。



「学校からディズニー近いとかさ本当最高だよね」

 駅まで歩いている途中に雪美が海遊にそのように突然話した。

「いきなりだね まあ確かに本当ディズニー近いことは良かった」 

「でしょでしょ だからこの高校入って良かったと思う」

「たしかにね制服もかわいいしね しかもうちの制服さ丈が短い方がかわいいっていうし さ」

「うんうんそうだよね こんなこと言うのも変だけど 私ディズニー近いから入ったというのもちょっとした決め手なんだよね」

「そうなんだ 私はディズニー好きだけど決め手はそこじゃなかったな」

「ディズニーで告白したくらいなのに?本当に?」

「まあ何ていうか 近くにある高校はいいなという感じかな」

「じゃあ海遊も同じような理由じゃん かっこつけなくていいよ」

「かっこつけてないよ」

 駅に向かう途中会話が盛り上がっていた。


「海遊やっと駅ついたね」

「たしかに意外と早い」

「ところでさ今日 ランドとシーをはしごしようと思うんだけどどう?」

雪美がディズニーをはしごすることを海遊に聞いてみた。

「まさかのはしご?時間あるかな?」

 雪美がはしごすると言った途端、海遊は時間を気にしていた。

「まだ15時前だし大丈夫じゃない?」

「そう?まあ言うて目的はアトラクション全て乗るわけじゃないしね」

 海遊は、そういいながらもはしごすることは驚きではあったものの、楽しみであった。

「そうそう だから大丈夫だよ」

「そうだね 楽しもう」

 海遊は乗る気になった。


「あっ電車来たね ついに夢の国に行くんだね」

 雪美も同様にワクワクしていた。

京葉線の電車が来て2人は乗り込んだ。

「てかはしごするというよりお金とか大丈夫なの?年パスじゃない限り高いとは思うけど」

 海遊は今度は雪美にお金のことを心配して聞いた。

「大丈夫だよ シーとランドはしごすると見込んで7万はある 足りなかったら少しだしてあげる」

 雪美が自信を持って答えた。

「えっいいの?私今日はカードとか6万くらいだから まあでもおろせばなんとか平気かなと」

「じゃあ大丈夫じゃない?なんかあったら出すから」

「ありがとう」




 舞浜駅へと着き、海遊と雪美は舞い上がっていた。


「海遊やっと夢の国に着いたね」

「おおついにだね 雪美」

「じゃあはじめはシーに行きましょうか」

「うん シーに行きましょう」

 雪美が海遊にシーにはじめは行きたかったので、2人はまずはシーに向かった。



「シーとか久しぶりかも はじめはどうしようか ランドも行くわけだからそんなに乗れないけども」

 雪美もシーは久しぶりであった、同時にアトラクションの数もそんなに乗れないということも理解はしていた。

「だね 悩むね」

「タワテラ行く?」

「えっいきなり?」

 来てそうそうタワテラに行くという雪美に対して、海遊は少し驚いた顔をしていた。

「うん てかキャストさんがさセリフ言うアトラクションだし」

「いや他にもあるだろ」

 シーに行くまでの間、何に乗るかということを話していたときに、タワテラと言った途端、すかさず、他のアトラクションがあるということを海遊はツッコんだ。

「えっじゃあニモ&シーフレンズとか?」

 雪美が試しに他のアトラクションを聞いてみることにした。

「いいね ストームライダーの跡地のそこにしようか」

 雪美が聞いてきたそのアトラクションに海遊は乗る気だった。

「じゃあ分かった先にそれに行こう」

 雪美はひとまずニモ&シーフレンズに乗った後に、タワテラに乗る計画を自分の中で立てていた。

「そうだね行こう行こう」


2人はニモ&シーフレンズへと向かった。



「雪美思ったより並んでるよね」

「うん これ乗ってタワテラ行ったらランド移動する?」

 雪美が海遊に聞いた。

「そうだね それでもいいよ」

「分かった」



ようやくアトラクションの中へと進み、キャストのセリフのところまで行った。


「皆さんこんにちは私は研究員の小島です」


キャストのセリフ説明が終わり、ついに乗り込んだ。


 アトラクションが終了


「アトラクション良かったね ねねタワテラさ混み込みだからこのままランド移動にする?」

 タワテラに乗ってから、ランドに移動予定であったが、あまりの混み具合に移動するかを考えていた。

「そうだね それか他のアトラクションに乗る?」

 雪美から聞かれ、海遊も同じように聞いた。

「どうしようか今何時?」

 雪美がまずは時間を確認した。

「今もう17時前だね」

 海遊が時間を答えた。

「ちょうどいいからランド移動しようか」

 雪美は時間的に、ランドへ移動することがベストだと感じた。

「そうだね このままだとずっといたくなる魔法にかかっちゃうし」

 海遊が一度切り上げないと、ディズニーのいたくなる魔法にかかってしまうと言った。

「うんうん 分かるよ」

雪美は、海遊に共感した。

 17時前だったので、ランドへと移動した。


「てかさシーとランドをはしごするってなかなかすごいことだね」

 海遊は、シーとランドをはしごしていることに、いまだに信じられなかった。

「でしょでしょ やっぱり海遊は分かってくれる」

「なかなかない企画だしね」

 シーに出るまでの間、ちょっとした会話をした。



 ランドにようやく着き、何に乗るかを決めていた。


「ジャングルクルーズ?に行く?」

「おおいいよ」

  はじめに雪美が海遊にセリフ系のアトラクションであるジャングルクルーズに乗るかを聞い。

「これ乗ってちょっとお茶しない?まだクローズじゃないし」

  その後に、雪美がお茶をしたいとも言った。

  海遊は、賛成した。

「そうしよう」



  あたりも暗くなってきて、夜のジャングルクルーズのツアーになった。


「ではゲストの皆さん大きく手を振ってください 行ってきます」



  夜のジャングルクルーズはまるで本当のジャングルの旅のようであった。


「いや面白かったね」

  海遊がジャングルクルーズのアトラクションがずいぶん印象に残っていた。

「お兄さんテンションすごいね」

  雪美も同じく印象に残っていた。

「よしじゃあお茶しよう」

  雪美はとりあえずお茶を早くしたかった。

 「雪美大丈夫だよ そんなに急がなくてもお茶は逃げたりしないから」

 「はいはい分かってるよ」


  閉園の三時間前で、ゲストたちは徐々に少なくなっていた。

 「平日のこの時間に高校生で来てるの私たちだけじゃない?」

  雪美があたりを見渡してから、そのように言った。

「そうだよね しかもシーとランドはしごする人もいないし」

  海遊はそれに共感するようにして言っていた。

 「そしたら今日のことをまとめようか気づいたこと」

 「うんまとめよう」

  気を取り直して、雪美がシーとランドをはしごして気づいたこととかをまとめようとしていた。

 「私は 今日シーとランド両方のキャストさんたちみんな楽しませようとしていたのが伝わったかな 自分も楽しまないといけないみたいなのがあった」

 「いろいろ気づいたね」

 「そうそう 海遊は?」

 「私はアトラクションのキャストさんたちが言っていたセリフ一つ一つが魅力に感じたかな」

 「おおすごいことに気づいたね それはどんな?」

 「例えば 皆さんこんにちは ようこそ みたいなのがあるじゃん 少しはしおったけども

  世界観が伝わるったし 本当にもうここにいる感じにさせられたというか また行きたくなる魔法をかけられたかな」

 「そっか なかなかいいところに気づいたね」

  海遊の気づいたことを聞いて、雪美は海遊の気づきに感心させられた。

 「よしどんどん出してこう」

「そうだね あっ最後さアトラクション何か乗らない?」

  雪美が今日気づいたこととかを出そうとした時に海遊が、最後何かアトラクションに乗るかどうかを尋ねた。

 「あっうんそれでもいいよ とりあえずこれはまた明日とかに話そうか」

 「うんそうしようか」

  2人は閉園前の最後に、何かもう一つアトラクションに乗ることにした。

 「最後はスターツアーズ乗りたい」 

  海遊は最後のアトラクションはスターツアーズに乗りたかった。

 「いいよ スターツアーズ楽しいもんね 私も乗りたかったから」

  雪美もスターツアーズに乗りたかった。

「とりあえず早く行こう」

  海遊が雪美に早く行くように伝えた。

「うん行こう」

  閉園前だったので、2人は急いで向かった。

「よし間に合ったね 意外と早く乗れるね」

 アトラクションに着き、雪美は少しほっとしていた。

「うんうんもうゲストそんなにいないしね」

  海遊も、その周りの雰囲気を見て、嬉しそうであった。

2人は早く乗るのが楽しみだった。



  ようやく、乗車の所まで来た。

「こんばんは何名様ですか?」

  女性キャストから乗る人数を聞かれた。

「2名です」

 海遊がすかさず答えた。

「かしこまりました では3番の列にお並びください」

  2人は3番の列に並んだ、そしてついに乗車となった。


「では行ってらっしゃい」

  キャストからの見送りで乗車をした。




「やっぱりスターツアーズ良かったね 最後乗って正解だったわ」

  海遊はスターツアーズに満足していた。

「本当良かった ディズニーランドって最高だね」

  また、雪美もスターツアーズとランドに満足している様子であった。


「さて、雪美じゃあ出ますか」

「うん 寂しいけど出ようか」

  海遊が雪美に先に声をかけて誘導した。


「帰り同じ方向だね 明日学校とか辛い」

  雪美が不満を少し漏らしていた。

「また行けるじゃん近いんだし」

「まあそうだけど」

  ディズニーから近くてまた行けるということを海遊は雪美に言うものの、雪美は渋々出ることにした。

  

  

 「リゾートラインで舞浜まで帰ろうか」

 

  海遊は、雪美にそのように聞いた。

 

 「うん そうしよう 疲れちゃうしね」

 「そうだね リゾートライン結構好きなんだよね」

 「分かる 私も好き」

  海遊は笑顔で雪美に好きだということを少しだけアピールした。

  雪美も海遊と同じくリゾートラインが好きであった。

 「そういえばさ 明日1限英語だっけ?課題ある?」

  雪美が海遊に1限の英語に課題があるかを確認した。

   「明日はないよ」

   「良かった じゃあ明日は楽」

   「まあだけど寝坊しないようにね」

    海遊が雪美に心配をした。

「分かってるよ」

    2人はディズニーリゾートラインを乗りながら会話をして、楽しんだ。

 

    話しているうちに、舞浜駅に着いた。


   「よし着いたね まあ帰り途中までは雪美と一緒だったね」

「そうだね 同じ方向の人がいて良かった」

「やっぱり地元が海遊と同じで良かったよ」

「私もだよ」


  

海遊と雪美は話しながら、舞浜駅の改札まで向かった。








    次の日の休み時間2人は目的であるディズニーのような企画を実行することにした。

   

  

   「さて海遊はじめはどう実行していく?」

   「うーんどうしようか」

    2人はどういう感じで実行するかを悩んで話しあっていた。

   「じゃあはじめはアトラクションキャストのトークを披露しようか」


   「えっいきなり恥ずかしい」

    雪美は海遊にアトラクションキャストのトークをはじめに披露するように促した。

   「うん いろんなクラスの人呼んでくるからちょっと待ってて」

    雪美は海遊が披露できるようにクラスメートたちを呼びに行った。

   「恥ずかしいな」

    海遊は披露する前だが緊張していた。

   「まあ練習してて」

   「はいよ」

    

    海遊は渋々同意をした。


    

    そして、雪美が多人数の生徒たちを連れてきた。

   

   「海遊連れて来たよ」

    

    25人くらいの生徒たち、海遊たちのクラスメートも6人くらいいたが、かなり集まっていた。

   「雪美こんなに集めたんだ」

   「そうだよ じゃああまり時間もないから始めよう」

   「うん 分かった」

   

    緊張しながらも、海遊はアトラクションキャストのトークを披露した。

   

   「それではお待たせしました皆さんこんにちは」

   

   「こんにちは」

   「こんにちは」

    ディズニーのゲストのように、見に来ていた人たちもノリよく「こんにちは」と、挨拶をした。

    

   「JCBが提供するストームライダーへようこそ私は研究員の菜山です ここ気象コントロールセンターではある特定の気象現象の研究 予知 そしてコントロールをしています その気象現象とは凄まじい破壊力を持つこのようなストームです 私たちのミッションはこのストームの中心部に入って行われるんですが 今日は皆さんにもそれを体験していただきます ではあちらのレーダースクリーンを見てください」

    

    海遊は最後までセリフ1つ1つを伝えて言った。

   

   「おおすごい」

   「すごいね 本当に」

   「菜山かっこ良かったぞ」

   

    見に来てくれた人たちは感銘を受けていた。

  

   「ありがとうみんな」

    海遊は、お礼を言った。

   「またやると思うから楽しみにしててね」

    雪美が見に来てくれた人たちに、そう言うと、ずらずらみんな教室へと帰って行った。

   「またやるのは恥ずかしいけど 山田に惹きつけるためにはそうしないとだよね」

   「そうそう そこまでやらないとだよ」

   「だよね 頑張る」

    山田に告白をするために、海遊は企画を成功させることを目指した。




    放課後、海遊のパフォーマンスは、瞬く間に広まった。

    

   「今日さ菜山がさディズニーアトラクションキャストのセリフを披露したんだよ すごい良かったんすよ」


   「おおそうなのか」  

    今日来てたうちの男子の一人がサッカー部の先輩に話していた。


 

 

   「ねね 今日さ実はさ菜山さんがさディズニーのアトラクションキャストのセリフを披露してたんだよ」

   「あっそうなんだね なんか覚えるの大変そう」

 

    女子トイレの中で、1人の女子生徒が、もう一人の仲良いスカート丈が短い女子に話をしていた。

 



 「さて海遊次は何していこうか」

 「うーんどういう感じにしていくか」

 

  海遊が考えているうちに、雪美は面白いアイディアを思いついた。

 

 「ねね じゃあさ 今度はさこんなのどう?」


  

  

  次の日も、海遊と雪美は企画を実行しようとしていた。

 

 「よしじゃあ始めるよ海遊 キャストさんと同じように 今度は私も協力するから」 

 「ありがとう」

 

  今度は雪美も企画を実行することにした。また改めて、企画がスタートした。


 「皆さんおはようございます 今日も元気よく頑張っていきましょう」

 「おはようございます」

 

 「なんか2人だけど門でなんか立って挨拶なんて生徒会じゃないのに恥ずかしい」

  海遊は挨拶は良いが少し恥ずかしがっていた。

「まあね でもさディズニーのエントランス意識してあえてここにしたの とりあえず昇降口行こうか」

 

2人は、その後昇降口に移動した。


「おはようございます」

  海遊が言った後、雪美も同じように言った。

「おはようございます」


  昇降口でやったように、海遊と雪美は元気よくキャストのように挨拶をした。


「弘道あれ確かお前が言ってたディズニーやってた子?」

「そうですね あいつですね」

「意外とかわいいな」

「はいまあ」

 男子生徒たちのとりこにも少しなっていた。

 また他の学年の人にもすぐに広がった。


「おはようございます 気をつけて教室へ行ってください」

 海遊は挨拶の後に、教室の案内を付け加えた。

「おはようございます」



「何かあの子たちすごいね自分たちからああいう風にやるの」

「たしかに積極的」

 他の女子生徒も、見ていて感心していた。




「海遊お疲れ様」

「雪美もお疲れ なんか恥ずかしかった」

「まあこれもさ山田のためだしさ」

「そうだね てかさ他の学年もさ知っている感あるよね」

海遊がここまでやってるなら広まってるに違いないと感じていた。

「おそらくね 山田にさ私聞いてみてもいい?」

 雪美は山田に聞いてみることにした。

「まあいいよ全然」

 

 海遊の言う通り、彼女たちがやっていた企画は、学校中に広まっていた。

「あの子たちちょっとさキャストさんになりたいのかな?」

「うーん真似してるし」

「でもなかなか面白いね」

 

他の学年の女子の先輩たちも海遊と雪美の話題を話していた。


「なあなあ山田さ最近菜山たちがなんか話題みたいなの知ってる?」

「ああなんか聞いたわ てか何でこんなことやるかは不思議だけど」

「まあなそれ俺も知らないんだよね」

「とりあえずそのうち分かるんじゃね?」


 山田と山田の仲良い神田の2人が話していた。



「あっ山田お疲れ今大丈夫?」

 雪美はたまたま階段に座っていた山田を見つけた。

「小宮?どうした?」

 山田は不思議そうな顔で雪美を見ていた。

「単刀直入に聞くね 山田は海遊のこの企画見たり聞いたりしてどう感じた?」

「いきなりだな うーんどう感じるも何もその文化祭でもないのに こういうことやるのは 不思議だなとは思ったよ」

「なるほどね ちなみに何で海遊がこの企画をやっているか分かる?」

「いや分からんな」

「あんたまじで言ってる?」

「うん」

「はあ何考えてるの?海遊はあんたのためにこれやってるんだよ」

「えっ?」

「少しくらいさそういうのちょっとは想像しなさいよ」

「…」


雪美は、山田に強い口調で言うと、その場を去った。






「雪美どうだった?」

「ああ海遊 私さ言い過ぎたかも」

海遊の所に戻った雪美が不安そうな顔で海遊に話した。

「どうしたの?」

 海遊は雪美に心配して聞いた。

「実はさこの企画のことを聞いてさ何のためにやっているかを聞いて 分かっている前提 だと思ったからさちょっときれてしまった 山田がこの企画の意図理解していると思ってたからさ」

「なるほどね でもありがとう 私もさ山田に会ったら聞いてみるよ」

「うんそれもありだね」

 海遊は山田に自分からも聞くことにしてみた。



「よしじゃあその流れでディズニーとか誘うとか?」

「えっいきなりまた?」

「そうそう まあ変な感じな雰囲気ださなければ大丈夫だよ さりげなくね」

「うん分かったよ やってみる」

「頑張ってよ」

「ありがとう」



海遊は、勇気を振り絞って、山田の所へ行くことにした。

「緊張するけど頑張る」

「大丈夫だよ」



 海遊は山田の所へ向かった。


「どこだろう」

 海遊は山田を探した。


「あれ菜山じゃんどうした?」

「あっ山田」

「どうした?」

「ああその何ていうか」

「焦らなくていいぞ」

「あっうん ストレートに聞くね 私が考えた企画どう感じた?」

「どう感じたかか」

「そうそう」

「うーん何でこんなことやってるんだろうなとは思ったかな」

「なるほど そういうことね」

「うん 実はささっき小宮に怒られてしまったんだよな」

「ああ聞いたよ」

「俺もどんな想いでやっているかとか分からなくて 本当ごめん」

「謝らなくても大丈夫だよ あのもしよければもう一度私とディズニーシーに行ってもらえないかな?」

「あっまあ全然構わないけど」

「分かったありがとう」




「雪美誘い成功したよ」

「おお良かったね これでついに改めて また告白ができるね」

「うん 良かったよ 頑張るよ」



 ディズニーシーデート当日



「忘れ物なし よし行こう」

  デートは休日だったので、海遊はミニスカートをはきカーディガンを着

  た。

  その後に忘れ物もないかを確認した。

「おはよう 山田早かったね」

「まあ言うて俺も今さっき着いたところだけど」

「そうなんだね じゃあ行こうか」


山田と海遊は舞浜駅に着いたので、ディズニーシーへ向かった。






「ディズニーシーに着いた やっぱりいいよね」

「そうだな」


海遊と山田は少しの間沈黙だった。


「何から乗る?」

 海遊は山田に何に乗りたいかを聞いてみた。

「なんでもいいよ お前が好きなやつで」

 山田は乗るアトラクションに関してはなんでもよいという感じであった。

「分かったよ」


 2人はまずはセンターオブジアースに向かった。





 あっという間で夕方になり、あたりも暗くなっていた。海遊は告白する準備はできていた。

 タワテラの前のベンチに座った所で、ここがタイミングだと思い、告白することにした。

「山田実は話したいことがあって」

「話したいこと?」

 山田が海遊に質問をした。

「うん その何ていうか 私山田のことが好きなんだよね」


「えっまじか」

 山田は一瞬驚いた。

「この前言ってなかったけど 学校でやったみたいな企画はさ 山田に振り向いてもらうために ああいう企画をしたんだよ」

それを聞いた瞬間、山田は唖然とした。

 「本当にありがとうな そう思ってくれるなんて 俺も実は菜山のことが最近気になってたんだ フラれてからどうしようかを考えててさ」

 「そっかそう思ってくれてたんだ こちらこそありがとう」

  2人はお互いを見つめあい、抱擁した。

  

  

  

次の日学校で

「雪美 なんとか成功したよ」

「おお良かったね おめでとう」

「ありがとう まさかさ二度目の告白で成功するなんて思わなかったよ」

「だよね でもそこで海遊が諦めなかったからだよ」

「いやいや雪美がディズニーのような企画をやったおかげだよ」

「そう?まあそう言ってくれるとはありがたいな」

「だから感謝してるよ」

「ありがとう」

「ディズニーの企画またこれから続けようか」

 海遊がまたやりたいことを言ってみた。

「そうだね 楽しかったし」

「じゃあ本日もディズニーはしごしようか企画のために」

 雪美がいきなり海遊にはしごする誘いをした。

「お金おろさないと」

 海遊がお金をおろしたいと言った。

「よしじゃあ急いで行こう」


 2人は今日も何かの企画のためにディズニーをはしごしに行った。

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