第36話 開店までの道のりは長い

今日は、お店の内見に来ている。木造で私の好きな雰囲気だった。中をそこまで広くなく一、二席ほど座れるところがある。日本で言う美容院じゃなくて床屋さんみたいな感じだ。でもそのぐらいで私は満足した。切れるのは私しかいないし正直広かったらどうしようかと思っていた。


「凄いですね~私の好みぴったり!」

「レティ様が自分で探していらっしゃいましたからね」

「えっ!それは大丈夫なんですか?執務とかって…」

「それは心配なさらなくても大丈夫ですよ。そこらへんはしっかりしていらっしゃいますから」


流石、レティ様ちゃんとお仕事してる。おまけに私の好み把握してるとかやばい。


「広さも丁度いいですね。」

「私一人なので広かったらどうしようと思っていたので」

「そこもちゃんと考えていらっしゃいますからね」


店内を一通り確認して足りないものや必要なものを伝えて、最後に外からお店を眺めた。これから、ここが私の居場所…


「戻ってもっと詳しい事決めましょうか」


まだ、戻っても決めるべきことがある。料金とか決めなきゃと思ったけどよくよく考えたら私。エルメルトのお金知らなくない?頑張って日本でいくらぐらいか考えよう。


「はぁ~疲れた!でもまだやることがあるから起き上がらなきゃ」


料金どうしようかな…シャンプーやカラー出来ないからカットのみになるんだよね。あ、ちなみにドライヤーは出来るんだよね。魔法で上手い事温風を出せるようになったから。料金は日本基準にすると安いところだと1000円~2000円。高いところは1万円以上。安いのと高いのの中間あたりが4000円~5000円あたりなんだけど。私はなるべく安くしたいんだよね。そもそも、エルメルトとの100円がどれくらいかも分かんない。


「あの、エルメルトのお金ってどんな感じですか?」

「お金ですか…ちょっと待ってていただけますか?」


そう聞くと早足で部屋を出て行った。数分すると戻ってきた。私に見せるために持ってきてくれたみたいだ。


「これです」


そう見せてくれたのは、銅貨・銀貨・金貨だった。なんだろう、日本では本とかアニメでしか見たことないものが目の前にあるって言うだけで驚きなんだけど…


「お野菜ってどれが何枚ぐらいの値段ですか?」

「そうですね。銅貨5枚あたりでしょうか」


ますます、分からなくなった。うん、もうこれはレティ様に頼るしかない。


「金額が分かんないから私に決めて欲しい?」

「はい…私的にはギリギリまで安くしたいんですけど」

「そうね、なら銀貨10枚から15枚ぐらいかしら?」


レティ様の金銭感覚があってるか分からないからちらっと周りを見渡すと。そのぐらいみたいだった。


「じゃあ、銀貨10枚にしようと思います」

「アオイ、開く日にちが決まったら教えて欲しいわ。祝いたいから」

「分かりました!一番に伝えますね!」


それからここ数日は、毎日街に行って準備が続くなと思った。

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