第28話 青い火の意味
目が覚めた時にはとっくに太陽が出ていた。
昨日の事があったからなのかお昼近くまで寝ていたみたいだ。
「おはようございます、ツキノ様」
「おはようございます」
今日は、ルードさんがいないからウィルさんに借りた魔法書を読み進めよう。読み進めるにつれて難しくなったがルードさんに教えて貰ってから理解が出来るようになった。この本は分かりやすく詳しく書いてあるから私でも読めた。パラパラと読み進めてから三十分ほど経った所であるページが目に入った。火属性の魔法についてだ。そういえば、昨日の青い火と何か関係あるのだろうか?メモが出来るように紙を用意してもらい、そのページを丁寧に端から端まで読んだ。まさか、青い火にはそんな意味があるとは思わなかった。そこに書いてあったのは火の色で魔力量が分かると書いてある。赤は平均的なもの、大幅がこっちの赤らしい。青は魔力量が特別多い人らしい。そして、次の分が問題だった。青を使ってる人が急に紫の火を出すことがある。それは聖女の特徴だ。
「えっ。」
もしかしなくても、私が紫を出してしまったら不味いのでは…
「ツキノ様、どうか致しましたか?」
いつもタイミングがいい時に出てくるグレンさん、流石です。
「借りた本を読んでたんですけど…青い火の説明にこんなのが書いてあって…」
「ちょっと失礼いたします」
私が言った部分をグレンさんがざっと目を通す。問題の部分にいくとグレンさんも少し驚いていた。
「これは…私も知らなかったです」
「これが本当なら、ツキノ様は危ないですね…」
ですよね~自分でも思ったけどグレンさんに思われたら間違いないよね。今、私は確実に目を付けられてる。周りからも星宮さんからも昨日の魔法だけで…
「これから、あんまり火属性の魔法は使わないようにするのが一番ですかね?」
「それが一番ですね。必要な時は使ってください」
また、私とグレンさんの二人の秘密が出来た。
◇◆◇
久しぶりに、街に来た。あれの事件があってからみんな私を町に行かせたくないみたいだった。きっと心配してくれてるのだろう。今回はちゃんと誰かと居ると言うの守るとお願いして連れてきてもらった。前回より奥に進むと雑貨がたくさん売っていた。日常品からアクセサリーまで色々なジャンルが並んでいた。一つ可愛いらしいお店を見つけた。
「ここ見てもいいですか?」
「いいですよ。入りましょうか」
中には色々なおしゃれなものがあった。香水や髪飾りが置いてあったり、あっちには置物が置いてある。私好みのものばっかだった。他の人の事も考えず、ずっと見ていた。
「あ、ごめんなさい。時間大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。ゆっくり見てください」
このオイルみたいなのって…ヘアオイル?どんなか気になる使って見たい。でも、私お金持ってないし…
「これですか?匂い色々あるみたいですが、どれにしますか?」
「ん~これで!買ってまいります。少々お待ちください」
あれ、私買わせちゃった?今普通に流れで答えちゃったけどいつの間に?!お礼しなきゃ…そう心に決めながらも他の場所を回った。夕暮れになったころにお城へと戻った。戻る途中、人に会うたび視線が怖い。そう、また静かに不安になりながらもどうにか部屋まで戻ってきた。何かをする気力も出ず私は今日もそのままベットに飛びこんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます