第8話 意外な返事
とりあえず、外が凄く暗くなる前にレーナさんたちの髪が切れてよかった。満足してくれたみたいだし安心した…それにしても、バリカンが使えるとは思わなかったよね。もしかしたらヘヤアイロンも使えたりするかな?充電式だし。グレンさんの言う魔導士さんが大丈夫そうだったら私の持ってる道具も見てもらえたりするかな?でも仕事を増やすみたいなものだし迷惑だよなぁと少し考えこむ。するとグレンさんがこっちに近づいてくる。
「ツキノ様、騎士や侍女の髪を切って頂きありがとうございました。それで何か悩み事でもありますか?少し考えこんでいたようですが…」
なんで、こうグレンさんたちって私が思ってる事分かるの?もしかして、私隠しきれてなくて顔や態度に出てたりする…?
「なんで分かるんですか?!あの、顔に出てました…?」
「顔に出ていた言うか雰囲気が何か考えてるみたいだったので」
「グレンさんのお知り合いの魔導士さんに道具も見てもらう事って出来ますかね…?」
グレンさんは少し考えている、やっぱり調べるのって難しいのだろうか。
「出来る事は出来ますが、調べるときに使う鑑定が使える人が少ないんです。でも私の知り合いは使えますので明日、大丈夫そうでしたらツキノ様の道具も見てもらいましょう。」
「ありがとうございます!」
グレンさんたちにわがままを言ってしまったなと反省しながら窓を見る。もう夜になっていて星が綺麗に光り輝いている。そんな感じにぼーっと星空を窓から眺めるとクリスタさんに声を掛けられ、意識が戻ってきた。
「ツキノ様、お食事の準備が出来ました。どうぞお席に」
そう言って椅子を引いてくれた。私はその椅子に座り、料理には合わないあまり見栄えのいいとは言えない机だが料理からはとても美味しそうな匂いがした。私はいつものように
「いただきます。」
と言って料理を口に運ぶ。一口食べるとさっきまでは食欲はあまりなかった食欲が戻ってきて黙々と食べていた。料理が盛ってあったお皿はいつの間にか綺麗に空にしていた。
「ごちそうさまでした。どこに片付ければいいですか?」
「ツキノ様は、お休みください!片付けは私どもで致しますので」
そう強く言われ、私はベットへダイブする。ここのは日本で使ってたのよりふかふかなんだよね~そのおかげでよく眠れるし最高!なんか、横たわってたら眠気が…
◇◆◇
眩しい…私まだ寝てたい、起こさないでってあれ、もしかして寝ちゃった?!お風呂入ってないのに…ついベッドが気持ちよくて眠気に負けたのか。
「ツキノ様、おはようございます。」
「クリスタさん、おはようございます。」
この国エルメルトには、お風呂あるのかなお風呂ってよりは湯あみかな?もし今日魔導士さんに会いに行くなら行く前に入りたいな。
「ツキノ様、おはようございます。昨日言っていた魔力の件ですが、今日大丈夫そうなので行きましょう。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「ツキノ様、湯あみの準備が出来ました。」
「今、入ります。」
レーナさんタイミング良い!やっぱり湯あみかぁ。グレンさん待たせてしまうから早く湯あみに向かう。うん、これどういう事かな…?湯あみが終わってクリスタさんが服は用意いたしました。置いておきますっていやいや、こんなおしゃれなの私に似合わないんですけど?でも着るものはこれしかないみたいだしとりあえず着ようかな。
「グレンさん、お待たせしました。行きましょう」
「あっ、はい。」
グレンさんの返事が曖昧だったのから服がやっぱり似合ってないんだな。
「やっぱり、服似合ってないですよね~」
「いえ、そんなことないと思いますよ。とても似合っています。」
返ってきた言葉は意外な言葉だった、似合ってると言われて少し嬉しかった自分がいるのは確かだ。最後にレーナさんたちに仕上げをしてもらって準備完了!道具も見てもらいたいから持っていかなきゃね。だいぶ重くなったけど頑張るか…そう思いながらもドアの前に向かう。まだ少し眠いのかあくびが出るのを必死で隠す。
「そろそろ、行きましょうか。ツキノ様」
「はい。お願いします。」
そうお礼をちゃんと言って案内をグレンさんにお願いした。本当にこのお城広すぎなんだよ、全然覚えられないんだけど!そういうのはやっぱり慣れかな慣れ、しょうがないから頑張って覚えよう。さぁ今から魔導士さんの元へ無事に着きますように。
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