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  • 朝を待つへの応援コメント

    児童相談所に預けられた、二人の青年。「正しい愛」され方をしてこなかった二人だけの、緊張感の拭う事の出来ない距離が、みずみずしくて、それでいて切ないですね。
    愛ゆえに彼女は彼のことを、すごいつぶさに見つめているけれども、それはどこかよそよそしく感じました。観察の仕方があまりに丁寧で、「小さく声が聞こえる」と、彼の言葉を「聞こえる」として受け取っているのが、さらに距離を感じさせています。そこにも「正しい愛し方」の欠如が自分の中にはある、という負い目からなのでしょう。
    彼女は彼が強がっていることに気が付いてから、彼のことをいとおしく思い、そして懐くようになる、ここに優しいふりをし続ける彼であれば絶対に自分を突き放すようなことはしないだろう、という安心感もあったんじゃないのかな。
    彼は一人立ちをしてから、夜明けを見ては勇気を抱くようになっていくのだろうな、そんな風に読み終えました。

    少し細かい気になったところについて
    冒頭、「東雲の空に色彩を乗せて」とありますが、「東雲」だけで赤く染まった空を指すので、空は重複になります。それから色彩を乗せるも、私は重複していると感じました。
    二つ目は、「あなたはいわゆる優等生タイプで」、ここが少し野暮ったいと感じます。説明口調とまでは全然言いませんが、少しだけぎこちない違和感を感じました。ただ些細な違和感で、私自身この違和感を上手く言語化できない程度のものです。
    三つ目、「今から三時間前」、ここは時間を断定していない方がいいのではないでしょうか。こちらも違和感があります。何か意図があって時間を断定しているのであればすみません。

    しかし、素晴らしい作品でした。ありがとうございました。

    作者からの返信

    読んでいただき、コメント等もありがとうございます。

    作品について丁寧に読み取っていただけてうれしいです。この作品はまさにキャッチコピーをテーマにしていて、全てを捧げるくらいの愛をあげたいのに、それができない歯がゆさを描いたつもりなので、頂いたコメントで伝えたいことが少しは伝わっていたのかなと思えてほっとしています。

    そして、指摘いただいた点についてお答えしますね。
    まず一つ目。東雲のところの件ですが、東雲は辞書で調べると、「東の空がわずかに明るくなる頃」の意があったので、東雲はその意味で使っています。
    それと「色彩を乗せて」については、この文章は「色彩を乗せていく絵筆」と続いています。これは、彼の髪が風に靡いて筆先のような形になって、まるで空に色をつけている絵筆のようだと表現したかった次第です。少々分かりにくかったようですみません。

    二つ目と三つ目の部分はあんまり筆が乗らず、言い回しをどうするかさんざん考えて良い文が浮かばずに妥協したところなので、 バレてしまったかぁと思ってます(笑)やはり迷いがあると読む人にも見抜かれてしまうんですね。もう一度読み返してみて、できるようだったら修正しておきますね。

    三つ目の補足として言わせていただきますと、実は時間についてはけっこう考えていて、空の描写でできるだけ時間の流れを示すようにしているつもりなので、空の描写がある場面の一つ一つにある程度の時刻を決めていまして、この場面は何時くらいだから、今から三時間前くらいかなと予測して書いていました。
    でも、よくよく考えてみたら、ここは「彼の大丈夫じゃない理由」を過去の出来事を通して説明する場面であるので、過去であるとわかるように時間の定義はしておいた方がいいような気がしてきました。もうちょっとよく考えてみますね。

    長々と言い訳を並べるような感じになってしまって申し訳ありません。自分だけでは見えなかった気付きが多くあって、とても参考になりました。貴重なご意見をありがとうございました。

  • 朝を待つへの応援コメント

    読ませていただきました。

    空の風景のどこまでも細やかに何度も描写されるのにしつこかったりありきたりでもなく、登場人物お二人の様子もひたすら静かで、目立つアクションもなくじっくり読ませてもらえる……淡い読後感が得られる感じが好きでした。

    雪人君は、家族から離された孤独から身を守ろうとしていたのですね。特にもっとこうしてほしかったなどというようなことはありません。なんか、ひかりさんはどうにかして、雪人君の支えになりたいと感じているのに雪人君はすごく大人で。それが一方通行ってほどじゃないですけど、切ないですね。

    作者からの返信

    読んでいただき、コメント等もありがとうございます。

    二人がただ朝日を見ているだけでひたすら静かな話なので、私自身、書きながら読む人を退屈させてしまわないかなぁ、大丈夫かなぁと不安に思っていたところがありました。二人が動かないからこそ、空の描写に力を入れて書くことで景色の鮮やかさや時間の移り変わりなどが伝わるように工夫していたので、その点を誉めていただけてうれしいです。

    実はこの作品、キャッチコピーがそのままこの物語のテーマになっているので、少々強引なくらいに溢れ出る想いを書いたつもりです。でも、全てを捧げるくらいの愛を持ちきれていない部分がひかりにはあって、その彼女の本質と恋心の矛盾が切なさにつながっているんじゃないかなと私は思っています。長々とすみません。その切ない心の機微を少しでも楽しんでいただけていたら幸いです。

    重ねてにはなりますが、本当に読んでくださってありがとうございました。