王女様は聖女様?いいえ、実は女神です(こっそり)~創造の女神と建国の賢者の記憶を持つ転生王女は可愛いもふもふと愛するドラゴンを守るため最強の仲間と一緒に冒険の旅に出る~
しましまにゃんこ
プロローグ「全属性の賢者アリシア」
―――アリシア・アリステア
大陸を統べる大国の第一王女でありながら強大な魔力をもって生まれた唯一無二の大魔道士。あらゆる属性を器用に操る様から『全属性の賢者』としても、国内外に名を轟かせていた。
彼女は愛する国と国民のために身を粉にして働いた。危険な魔物の討伐はもちろん、時には山を削り、道を作り、ダムを作った。特にその回復魔法は素晴らしく、死の淵にあったものまで癒すことができたほど。
だが、強すぎる力は『恐れ』を生む。
王位継承権を持つ兄弟たち、親族たちは彼女の力を恐れた。追放同然に彼女に与えられたのは大陸の果て、海を渡った断崖絶壁のそびえる小さな島国。付き添いを許されたのも最低限の騎士たち、侍女たちのみだった。
「姫様、なんとお労しい」
「亡くなった王妃様のただひとりのお子、第一王位継承権を持つ姫様をこの様な場所に追いやるとは……」
「兄君達はどうしてこのような仕打ちをなさるのか……」
だが、アリシアは笑って言った。
「私は好きよ、この場所が。ここは大地の力が満ち溢れているもの。それにね、ここだったらみんな伸び伸びと暮らせるでしょう?ほら、フィリップもここが気に入ったみたい。ここなら自由に飛ぶことが出来るもの」
手のひらに乗った小さなドラゴンがそうだ!と言わんばかりに「キュウッ!」と鳴くと、パタパタと翼をはためかせてアリシアの頭上をクルクルと回る。
「そうだな、ここなら我らを迫害するものもいない」
「そうだ、我らの聖女様の元でなら」
彼女に命を救われた人々は、彼女を『唯一無二の聖女』として慕っていた。そこには、アリステア王国で迫害され、搾取され続けていた獣人たちの姿も多い。
「賢者様も聖女様もやめてほしいな。私はアリシア、今日からはただのアリシアよ。これからはみんなが私の家族だよ!ここに国を作りましょう。誰もが笑顔でいられる国を」
こうして『アリシア王国』が誕生した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます