第8話 地獄のドングリもしくはコト (ちょっと修正^^:)

僕は、山本。

図書室をこよなく愛す男。

僕の世界は歪んでいて、と馴染むことが出来ない。

一人に浸れる図書室だけが安息の場所。

放課後は、下校時間まで図書室で過ごす。


僕は、勤勉な読書部部長として、日々、本を読み、妄想する。

この学校に読書部は無いが、一人で勝手に立ち上げ活動している。

授業中ずっと保健室で過ごそうとも、部活だけは休まない。

部員は、僕のほかにもう一人。

1年生のコトちゃん。名前は、貸し出しカードで調べた。

本人の承諾は得ていないが、この安息の空間で放課後ずっと一緒に過ごしているのだから問題なかろう。


彼女が入学して来てから半年くらいは至福の時間だった。

窓際の席が彼女のお気入り。

僕は、その聖域を犯すことはしない。

ただ、放課後に二人で黙って本を読む、それだけ。

何も語ることは無かったが、同じ世界を共有していた。

なのに……。


最近、彼女の様子がおかしい。

下校時間までずっと、借りた本を傍らに置き、飽くことなく窓の外を眺めている。

分かっている。

彼女の気持ちを惹きつけているのは、あの文武両道・イケメンセレブの『センパイ』

こんな田舎町にあれほどのハイスペック物件が居るのは不自然極まりない。

彼は、多分、異世界人。

何を企んでいるのか注視していかねばならぬだろう。


そんな妄想を半分本気で危ぶんでいた矢先、僕は、看過しがたい光景を目にする。

下校時刻を知らせる『家路』に背中を押され校門に急ぐ目の前で、今まさに『センパイ』がコトちゃんに告ろうとしていたのだ。


「ちょっと待ったぁ!!」気づいた時には、駆け出していた僕。

あまりの勢いに、固まる二人。

お陰で、コトちゃんがセンパイの手を取るのをすんでの所で阻止することが出来た。

「こいつは、異世界人だ!手を取ってはいけない!」

僕の言葉で、が歪んだ。

歪みに呼応するようにセンパイの表情が変わり、「なぜ、それを知ってる?」と僕に向かってくる。


これは、やばい。

自慢できることは部活皆勤賞だけ、センパイに勝てる要素は皆無。

での僕の戦闘力は0、否、むしろマイナス。

スライムに踏まれる草の様な存在が本気のセンパイに勝てるはずがない。

(落ち着け……落ち着け……。ここは、僕の歪んだ世界。ならば……)

運を天に任せ「ブック!」と唱える。

瞬く間に、センパイの姿は文字になり虚空に消えてゆく。

よもや、で『ブック』が効くとは。

ん?

まあいい。

とりあえず、危機は脱したようだ。良かった。


良かった……。

良かったはずなのだが……。

気付けば、目の前に烈火のごとく怒ったコトちゃんが立っていた。


「センパイを元に戻して!これは、私の物語!邪魔しないで!」

放たれた言葉で世界の歪みは修正され、僕の妄想世界が崩壊する。


センパイの姿が元に戻り、入れ替わるように消えていく僕。

記憶が巻き戻されていく。


そうか……思い出した。

あ~あ。

また、失敗。

君を助けて恋に落ちるはずだったのにな。

ここでも、君の物語に僕の世界の居場所は無かった。


前世の彼女ドングリに恋した悪魔

どんなに陥れてもこちらを向かない彼女に業を煮やし、冤罪をでっち上げ地獄送りにして妻にするつもりだったのに。

閻魔様の目は誤魔化せなかった。

地獄で助命され、別の世界で生まれ変わった彼女。

それでも、諦めきれなかった僕は、今度こそ想いを遂げるべく、転生し、見守り育んでいくつもりだったのに。

地獄の番人が護衛についていたのは計算外だったな。


*****


「逆に助けられちゃったな」

センパイは照れ笑いを浮かべ「僕は、もう、帰らなければならない」とコトを見つめた。

「一緒に行ってはダメ?」

「帰る先は地獄だから」

「センパイが一緒なら地獄も天国」


チャンチャン


済まぬ_(._.)_

途中で集中力が切れたww

あとは野となれ山となれ~ww


*****


昨日のツイッターでの「山本って誰?」を考えてみましたのでこそっと公開^^;


詳細は、こちら ↓

https://twitter.com/honeynuts1453/status/1701073095870812211










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