第4話 いきなりの異世界転移
◇◇◇
とか思ってたのに、部屋でゴロゴロしてたらいきなり変な魔法陣が現れて見たこともない変な場所に飛ばされてしまった。これが今話題の異世界転移か!とか思ったけど、僕、異世界とか興味ないし。右手とか左目が疼いたりしないし。戸惑いしかない。
呼び出されたのは王宮っぽい場所で、多分王族とか、神官とかが集まっているのだけど……。王様とか王子様らしき人がカボチャパンツに白タイツとか履いてる時点で分かり合える気がしない。ただ、周りの様子を少し観察しただけで、信じられないほど文明の遅れた世界だということが一目で分かった。
えっ?ちょっと待って?アイドルやめてやっと自由になる時間ができたのに?まだ漫画もゲームもやり始めたばかりなのに?えっ?ここ、電気とかあるの?
しかも、
「おお!偉大なる大賢者様!我々にその偉大なるお力をお貸しください!今、この世界は破滅の危機に瀕しているのです……」
とか急に言われて、思わず「えっ?無理です。」とか言ってしまった。静まり返る空気。憮然とした表情で腕を組み、大神官を斜めに睨む大人達。そのとき、黙って僕を観察していた王様が、おもむろに口を開いた。
「大神官よ」
「はっ!」
「こやつはどうみてもただの子供ではないか。偉大なる力など露ほども感じられん」
「い、いえ、魔法陣が呼び寄せたということは、間違いなくこの方が大賢者様であらせられます!」
「そうか。ならばそのほう、そちが真に大賢者と言うならば、何か魔法が使えるはず。この場で見せてみよ」
そんなこといきなり言われても困ってしまう。
「えっ?僕の世界には魔法なんてありませんけど?」
「そ、そんなはずは……」
狼狽える大神官様。
「やはりな。この召喚は失敗じゃ。この役立たずなただの子どもをさっさと連れていけ」
そういうなり城を追い出された。いきなり過ぎてびっくりした。取りあえず世界の危機がなんなのかくらい教えてくれてもいいと思う。っていうか、用がないのであれば家に帰りたい。
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