第3話

 リレーがなくなるらしい。


 走るのが面倒だったので、なくなってくれることに依存はなかった。ただ、女子生徒の中でいちばん脚は速い。


 前の席。友達が、背中を見ただけでも分かるぐらいに怒りはじめた。こわいこわい。握りしめたペンが、みしみしと音をたてている。


「ペン」


 言うと、握りしめた拳が解かれた。


「ありがと」


「いいえ」


 こわいこわい。

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