初恋フロントライン

Han Lu

想いが通じるその直前――グリニッジ標準時。九月三日 午前六時五十分。

 彼ら・彼女らは、そこにいる。そこにひとりで立っている。

 そこには遮蔽物もなければ援護射撃もない。援軍は来ない。退路は断たれている。もしかしたら、補給線も切れかかっているかもしれない。

 でも、彼ら・彼女らは、そこにひとりで立つしかない。

 今も、彼ら・彼女らは、そこに立っている。

 世界中のあらゆる場所で。

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