第18章 完全体、育成開始です!

第665話 やるべき事


 夏休みに入ったけど、やるべき事は色々ある! まぁ今日は日曜だから、あんまり夏休みは関係ないけど……って、普通にお母さんがいるから、お昼を自分で用意する必要ってないんじゃ!?

 ……あれ? そういえば昨日って土曜だったっけ? あれー!? 思いっきり曜日を間違えてる気がする!? 待って、待って! それなら、昨日お母さんがいなかったのってなんでだろ?


「ちょっと確認してこようっと!」


 朝御飯を食べて自室に戻ってきたばかりだけど、リビングに戻るのです! それを確認したら……とりあえず和室の改装の続きかな? 文化祭で使うドラゴンのデザインは、それが終わってから!

 10時からは結月ちゃんと立花さんと、忌まわしき夏休みの課題の処理って決まったもんね! ……面倒だけど、やる事はやっておかないと!


「あれ? 兄さん、出掛けるの?」

「……おい、誰のに関する用事で出掛けると思ってる?」

「……え? あ、昨日の椅子!? これから行くの!?」

「まぁな。昼までには戻ってくるから、楽しみにしとけ」

「はーい!」


 いぇーい! 昨日言ってた、良い椅子が手に入りそう! 傷ありの展示処分って話だけど、その辺は気にしない! ともかく、今日のお昼をどうすればいいかの確認だー!



 ◇ ◇ ◇



 お母さんにお昼の件を聞いてみれば、さっき出かけたばかりに兄さんが何か買って帰ってきてくれるとの事! 昨日は、シンプルに作るのが面倒だったから、外食してきたって言われた……。


 ぐぬぬ、夏休みに入ったから、自分でなんとか出来るだろうって放置されてましたよ!? お母さんとお父さんの2人で良いものを食べに行ってたの、地味にズルい!

 その後、映画まで観てきてたらしい! ……何気に映画館で映画を観た事ってないんだけど、フルダイブのある今ってそんなに特別感はあるのかな? うーん、分かんない!


「むぅ、言ってくれれば良かったのに……」


 一応、私にも声はかけたとは言われたけども! どうも私が気付いてなかっただけっぽかったけども! そもそも、いなかったのはいつもの週末の買い出しに行ってたからみたいだけども! 一旦帰ってきて声をかけたけど、反応がなかったからスルーしたとも言われたけども!


「……多分、タイミング的に屋根の事を調べてた時だよね?」


 フルダイブ中なら声をかけられれば通知が出るし……うぅ、調べ物の最中だから、集中してて気付かなかったっぽい!


 というか、なんでか完全に昨日を土曜なのに、金曜だと勘違いしてた私が悪かったんだけどさー! ……うん、単なる自業自得だー!? まぁ映画まで観に行ってる時間はなかったから、結果的にはこれでよかったような気もするけど……。


「曜日感覚が狂うの、早くない?」


 なんで夏休みの初日から曜日を間違えてるんだろ!? あれかな? 初日がいきなり世間での休日だったけど、その意識が吹っ飛んでたのかな?

 あ、夏休みのお昼ご飯代を昨日、まとめて貰ったのも原因だったかも? ぐぬぬ、それで昨日の時点で既に必要だと思い込んだ可能性もありそう!


「……まぁいいや。とりあえず、勉強会まで頑張って続きをやっていこ!」


 ともかく、今日のお昼は兄さんが買って帰ってくるんだから、自分で作る必要はなーい! 雑炊を作るのは、明日のお昼に延期だねー。明日からは本当に自分で用意しないといけないし!

 あれ? そういや昨日が土曜だったなら、結月ちゃんがお昼時に忙しかったのってなんでだろ? んー、まぁいっか! 休日でも人が集まるイベントでもあれば、忙しくなる事もあるだろうしねー!



 ◇ ◇ ◇



 何はともあれ、まずは配信用の和室の改装の続きから! えーと、屋根は大体作り終えたから……。


「残るは、縁側だね!」


 細かいところは色々調整する必要もあるだろうけど、改装に必須なのはそこまでになるはず! だから、まずやるべき事は……。


「あ、和室の土台ってどうしよう?」


 わー!? 待って、待って、待って!? 建物部分はもう出来てるけど、そこを支える土台がないよ!? それ、どうすれば……。


「あ、普通に白い板を引いとけばいいのかな? 強度って、どうでもいいし!」


 少し慌てたけど、じっくり見る部分じゃないんだから、特に気にする必要もなかった! 縁側を支える柱の部分だけちゃんとしておけば、後は適当でもいけるはず!


「縁側の周辺は、砂利を敷いたらそれっぽくなるよね? あ、姉さんの部屋、外から撮ってこよ!」


 うふふ、参考に出来る資料は我が家にあったのですよ! 姉さんがまだ家にいた頃は、よく一緒に並んで座ってたもんねー! その時に、髪をよく弄られてたりもしたもんね……。


「あ、サンダルを置いとく岩もいるかも?」


 庭に出るなら裸足って訳にもいかないし……いざ考えてみると、思っている以上に必要な物ってあるんだ!? うーん、これ……今日中に間に合うかな?


「よし! 考える前に、まず写真! すぐに撮ってこよー!」


 まったくそのまま同じに作ればいい訳じゃないだろうけど、参考に出来るものがすぐ近くにあるんだから、参考にしない理由がないのですよ! という事で、我が家の庭から姉さんの部屋へレッツゴー!



 ◇ ◇ ◇



 姉さんの部屋を庭から撮って、それを参考にしつつ、縁側のデザインを作っていってる! いきなり組み込む材料から作り出すと、昨日の屋根みたいに大変な事になるから、何が必要なのかを整理してから取り掛かるのです!


「えーと、こんなものかな?」


 改装途中の和室を、外から見た状態で画像として保存して、その上に書き加える形でデザインをしてみた!


「うん、これならそんなに手間はかからなさそう!」


 必要なのは、縁側を構成する柱と床、あとはそれぞれの柱の下で支えになってる石っぽいやつ! 多分、これが土台になるのかな? サンダルを置いとく岩もその一部になってた!

 これなら、床板と柱と大きめな薄い岩を作れば十分! 土台の石は、仮で屋根や縁側に置いてた真っ白なあれでいいや。表面だけ石っぽく変えれば、それで問題なーし!


「ふふーん! 後は、元々デザインしてた庭の飛び石に進めるように繋げれば……あれ? メッセージ……って、結月ちゃんから? あー!? もうこんな時間!?」


 作業を始めたのは9時前だったけど、もう1時間は経ってたよ!? あわわ!? 夏休みの課題をやらなきゃ!?

 えっと、えっと! とりあえず縁側のデザインを保存して……あれ? これ、この後も使う? んー、まぁそのまま保存でいいや! 今はともかく、急げー! 夏休みの課題は……あれ? どこに置いてたっけ? データで配られてるけど、どこー!?



 ◇ ◇ ◇



 うがー! 課題のデータがどこにあるのか、結局分からなかった! これ、間違って消しちゃったりしてませんかねー!? ぐぬぬ、こうなれば!


「結月ちゃん、立花さん、ヘルプー!」

「わっ!? え、美咲ちゃん、いきなりどうしたの?」

「……いきなりトラブルかい?」


 課題のデータを見つけてから繋ごうと思ったけど、もうそれどころじゃないもん! 結月ちゃんと立花さんが、AR表示で空中に浮かぶ窓越しに見えてるような状態になったし、行方不明の課題データの事で助けを求めるのです!


「課題のデータ、どっか行っちゃった!? これ、どうすればいいの!?」

「……あー、櫻井さん? 今年からちょっとやり方が変わったせいな気がするけど、無くなっちゃいないよ?」

「去年と違って、各自のローカルに保存じゃないよね? 無くしようがないと思うんだけど……」

「……え?」


 待って、待って、待って? それじゃ、学校で配られたあれって何!? 中身、その時には確認してなかったんだけど……そもそもまともに説明を聞いた覚えもないような?


「美咲ちゃん、学校で配られたのは課題データへのアクセスコードだよ? ほら、学校内のネットワークに家からでも繋ぐ為のやつ!」

「学校で使うサイト、あそこにログインすれば課題はそこにあるからね。どうやったって、失くしようはないさ」

「え、そうなの!?」


 わー!? そういう説明、全然聞いてなかった気がする!? それ、去年から変わりすぎじゃないですかねー!?

 ぐぬぬ、去年は電子データの課題と紙で配られた課題の両方が混ざってたし、その紙の課題に電子データの課題の解答を保存するようになってた覚えがあるけど……あ、そういえば夏休みに入る前に何か紙が配られてた気がする! えっと、確かあれは通学用の鞄の中に……。


「あ、あった! ……これ、思いっきり手順が書かれてる!?」

「そうそう、それ!」

「……まともに見てなかったんだね?」

「……あはは、お騒がせしましたー!」


 思いっきり『夏季休暇の課題データへのアクセス方法』ってプリントだったよ! わー、課題の進みが悪かったら、警告メッセージを送るとかも書かれてるんですけど!

 ぐぬぬ、小学生の時くらいまではほぼ紙オンリーだったのに、毎年どんどんとデジタル化が進み過ぎじゃないですかねー!? 今年は完全にデジタルのみだし、そういうのが苦手な人にも優しく対応してー!

 

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