第659話 完全体への進化
うふふ! 保存していた雷への適応進化は、完全体用に増幅は完了! 元々は今日やるつもりじゃなかったけど、やるという流れになったんだから、そのまま突き進むのみなのさー!
「それじゃ、完全体への進化スタートです!」
進化ポイントを100使って、いざ進化!
<成熟体【巧妙なライオン】を完全体【至妙なライオン】へと進化します>
サツキ : サクラちゃん、完全体への進化開始ー!
水無月 : 進化、開始ー!
ミツルギ : とうとう、完全体まで到達か。
イガイガ : オンライン版の最新状況を、完全に上回ったな。
ミナト : あはは、オンライン版とオフライン版では結構システムが違うから、単純比較も出来ないけどね。
「あれ? オンライン版って、完全体にはなれないんです? あ、また空に打ち上がりましたね! これはいつもの事ですけど!」
ふふーん! 進化の演出が始まったのですよ! おー! 成熟体に進化した時よりも、光の帯の数が増えて、眩くもなってるし、全体的に派手になってる!
中身の私が飛び出して、そこから伸びてる光の帯がライオンの姿と混ざり合っていってるもんね! とりあえずスクショは連写で撮っておこー! 今日のサムネイル、何にしよっかなー?
富岳 : オンライン版は、まだ成熟体までしか進化出来んな。オフライン版と違ってソロプレイじゃないから、たまに進行具合にストップがかかる。
G : 学生さんのテスト期間中とか、露骨に止まってたしな。
イガイガ : まぁあれはしゃーない。どこのゲーム会社も、フルダイブに移行してから、若年層の新規顧客の獲得に力を入れてるしな。
サツキ : そういう雑談は後で! 今は進化に集中!
「あはは、まぁ雑談は後でも出来ますからねー! それにしても、進化階位が上がる度に派手になってますね!」
今は夜なのに、昼みたいに明るくなってるもん! ……ちょっと照らし過ぎじゃないですかねー? まぁ光の帯の数自体が増えてるし……って、あれ?
「今までは一本の光の帯でしたけど……今回は二重のらせんになってません?」
本数が増えてるだけかと思ったら、帯自体の形状が変わってる気がするよ!?
サツキ : 生命といえば、DNAの二重らせん構造!
ミナト : 明確な説明はないんだけど、それをイメージした演出だという考察はあるね。
富岳 : 完全体で一旦の完成になるからこそ、生命としての象徴の演出になっているって考察だったか。
「おー! そうなんですか!」
まぁ進化階位の名前としては『完全体』なんだから、ここで完成って事になるのかな? でも、まだ先があるって話だったと思うけど……んー、他のゲームでの限界突破とか、そういうやつ?
例えば、限界を超えたパワーアップ形態とか! 今出てるこの光の姿が本体だって話だし、精神生命体とか呼ばれてるもんねー。うん、その力を引き出す姿とか、ありそうな気がしてきた!
<完全体【至妙なライオン】への進化が完了しました>
あ、色々考えてたら、光の柱を上げながらライオンのシルエットに向かって急降下になって、進化が終わったね。
「ふぅ、進化完了です! まぁまだ、雷への適応進化がありますけど!」
うふふ、第1段階の進化が終わったばかりだし、第2段階の進化に移っていくのです! その為にも『アクアマリン【雷】:増幅Ⅱ』を取り出して――
サツキ : サクラちゃん、更なる進化ー!
水無月 : 更なる進化ー!
金金金 : こう……進化の度に思うけど、なんかBGMをかけたくなってくるな?
神奈月 : その気持ち、分かる! 分かるぜ!
G : 昔のアニメで、進化の要素がある話にそういう演出があったしな。
いなり寿司 : あー、あった、あった。子供の頃、見てたなー。
イガイガ : 今でもあるだろ。ちょいちょい、リメイクされてたりするぞ?
G : リメイクは、本家を台無しにしてる事が結構あるからなぁ……。
ミナト : 昔からのファンを失望させるってのは、よく聞く話だよね。
「あはは……まぁそういう話題は、たまーに聞きはしますね」
ゲームでも昔のものをフルダイブ用に最新技術でリメイクとかたまにあるけど、不評なのは結構見るもんね。何本かやってみた事はあるけど……うん、なんか無理矢理フルダイブに合わせようとして、台無しになってるようなのは印象はある!
「って、脱線してたらダメですね! 雷への適応進化を反映させていきましょう!」
という事で、今度こそ『アクアマリン【雷】:増幅Ⅱ』を使用なのですよ!
<完全体【至妙なライオン】を完全体【至妙なライオン【雷】】に進化させますか?>
もちろんですとも! 戻ってきて、私の雷!
<完全体【至妙なライオン】を完全体【至妙なライオン【雷】】へと進化します>
進化が始まれば、また上空は打ち上げられたー! うん、まぁ進化の時はいつもこれ! 保存してたアクアマリンも砕け散って、そこから光の玉の私とライオンに向かって放電が始まったね!
おぉ!? 今回の放電は、やっぱり前の時よりも派手だ!? やっぱり増幅した分だけ、規模が大きくなってるんだね!
「……今更ですけど、こうやって上空に打ち上げられてるのって、意味があるんです?」
ライオンの身体を再構成してるみたいだから、中身の精神生命体が外に出る必要があるのはなんとなく分かるんだけど……。
ミツルギ : あー、そこは特に意味はない?
富岳 : 上空に打ち上げられる必然性は、どこでも語られてはいないな。
いなり寿司 : 明確な理由は特にないが、まぁ派手な演出をしやすいからじゃないか?
サツキ : あれだよ! 一番最初に、宇宙から来てるからだよ!
真実とは何か : その真実は、未だ不明なのである!
「あ、分かってないんですか。でもまぁ、宇宙から来たのもありますし、派手な演出がしやすいってのも分かる気もします!」
まぁこれに関しては、明確な理由は必要ないのかも? うん、気にしても意味はなさそうだし、そういう事にしておこー!
ミツルギ : それにしても……改めて見てみると、やっぱりオフライン版の演出は遠慮がないな。
チャガ : ソロプレイかマルチプレイかの違いが大きいんだろうな。ぶっちゃけ、周りでこれだけ光られると鬱陶しい。
イガイガ : 前回の進化でも、そんな話題が出てなかった?
神楽 : 別に同じ話題が出てもいいんじゃない? 無関係な話題って訳でもないんだしさ。
こんにゃく : 確かにそうだよなー。
真実とは何か : それが真実なのである!
「あはは、まぁ気になる程の変化があるって事ですよねー」
そういえば、敵が次々に進化していく光景とかも見れたりしたよね? そのタイミングを狙えば、今みたいな光景が大量に発生してる光景は見れたりする!? あれ、どういう条件の時に見れたんだっけ……? うーん、忘れた!
「放電が収まってきましたし、そろそろ進化も終わりですかねー?」
あ、そう言った直後に、放電してる光の玉がライオンの中へ突っ込んでいったね!
<完全体【至妙なライオン【雷】】への進化が完了しました>
<規定条件を達成したので、スキルの熟練度が加算されます>
<『雷纏いLv2』が『雷纏いLv3』に上がりました>
<『放電Lv4』が『放電Lv5』に上がりました>
ふふーん! 完全体への進化、これにて完了!
「いやー、増幅した分だけ、スキルLvが上がるのはいいですねー! ……ちょっと疑問なんですけど、このスキルの熟練度の加算って、増幅した場合以外ってあるんです? あ、そもそも火への適応進化は増幅してるのに、加算がなかった気がしますよ!?」
待って、待って、待って!? 今気付いたけど、それってどういう事!? 未成体用から成熟体用に増幅したのに、加算がなかったって事だよね!?
ミツルギ : あー、その熟練度の加算条件は、増幅以外にもう1つ条件があってな。
富岳 : 一度、実際に適応した事があるものでなければ、そもそもスキルの取得をしていないから、加算はない。
ミナト : 使用の有無はともかく、実際にスキルを持ってるかどうかが条件なんだよね。
「あ、『発火』や『放火』とかを持ってなかったから、熟練度が加算されなかったって事なんですか! なるほど、そういう事なら納得です!」
そっか、そっか! 使用不可な状態でも、スキルを持ってる状態で増幅させたのを反映させるのが大事なんだね。なら、次に火への適応進化を増幅して、適応させれば強化出来るって事になるのさー!
ヤツメウナギ : ちなみに、増幅以外に手段があるかと言えば……あるにはあるが、現状のサクラちゃんでは実行不可と言っておこう。
神奈月 : まぁあの手段は、どう足掻いても無理だよなー。
咲夜 : どちらかというと、増幅でスキルの熟練度が加算される方が特殊例だし?
真実とは何か : それが真実なのだ!
「私が実行出来ないだけで、手段自体はあるんですねー!」
んー、もしかしたらその手段って、1種族目をクリアしてから解放される要素なのかも? うん、その可能性は高い気がする!
まぁそれは今は確認のしようがないから、置いておこー! とりあえず、進化後のステータスの確認……あ、もう時間的にそのまま〆にしちゃってもいいかも?
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