第581話 河川域の下流を目指して
ふふーん、回復用の野イチゴも毒の実も採集終了! 結構な量が手に入ったね!
「さーて、採集も終わったので、河川域の下流に向けて出発です! 『索敵』『見切り』『弱点分析』『看破』『疾走』」
採集してる間に効果が切れたいつものセットを発動してから、疾走開始! 思いっきり駆け抜けていくのですよ!
サツキ : サクラちゃん、移動を再開! 川に向かって出発だー!
水無月 : 出発だー!
「途中で止まるのは、基本的には無しでいきますねー! 増幅石は川で狙います!」
投擲用の石が増幅石になる確率は低くても、私が自力でちゃんと見つけられると採集アイテムだもんね! 余ったらその辺に捨てちゃってもいいんだし、ガッツリ採りまくるのさー!
金金金 : ほくそ笑む狐っ娘アバター。……どれだけ石を採る気だ?
咲夜 : ……増幅石を手に入れるまで?
神奈月 : あー、それはやりそうな雰囲気。
こんにゃく : 咲夜さんが言ったから、余計に可能性が上がった気がする。
G : フラグが立ったか。いつまで経っても手に入らない、不毛な時間が始まるか!?
ヤツメウナギ : ないとは言えない可能性だよなー。咲夜さんが言及しちゃったし……。
咲夜 : ちょい待った!? 今のも俺のせいになるのか!?
「あはは、流石に配信時間中にはそこまでガッツリはやりませんよー! ……多分」
ムキになって、時間も忘れて採集するなんて事にさえならなければ、そういう状況にはならないはず!
水無月 : 自信なさげだー!?
サツキ : サクラちゃん、集中しちゃうと他が見えなくなっちゃうからねー。
いなり寿司 : まぁそういう傾向は、これまでもよく見たな。
イガイガ : 確かになー。
ミナト : あはは、石の採り過ぎになってたら、止めた方がいい?
「その時はよろしくお願いします! さーて、結構北の端まで距離がありますけど……急がないとですね!」
アイテムの補充は大事だけど、そこにちょっと時間を使い過ぎた気もする! 昨日入ってた洞窟は中央付近にあったんだし、そこから北に進んでから少し戻ってるから、そこそこ距離はあるんだよねー。
「んー、迂回してでも出来るだけ視界が通ってる部分だけを通るか、木や高い草むらがあってもそのまま突っ切るのがいいのか、微妙に悩みますね……」
今のまま真っ直ぐ進めば、森の中に突っ込んじゃうんだよねー。グルッと迂回するか、そのまま突っ込むか……うん、考えてる間にもう目の前だー!
ミツルギ : まぁ今のLvなら、そう襲われる事はないからなー。
富岳 : 密集し過ぎてる森もたまにあるが、まぁそういう森はライオンではそもそも入れないからな。入れる場所は通り抜けられるし、そのまま突っ切っても大丈夫だぞ。
サツキ : サクラちゃん、思いっきり突っ込んじゃえー!
「それなら、そのまま突っ切ります! 何か敵がいても、それはスルーで!」
リスとかカブトムシとか蝶とかは看破で見えてるけど、Lv37とかだもんね! 戦って進化ポイントを稼いでもいいんだろうけど、それをし始めたらいつまで経っても次のエリアまで辿り着かないもん!
だから、今回はスルーするのみ! ……何か今、足の下で変な感触がしたけど、気にしない!
神楽 : あ、ヘビが踏まれた。
ミナト : Lv38の『聡明なヘビ』だったねー。まぁLv差があるし、知恵系統なら追いかけて襲ってくる事はないかな?
富岳 : Lv差が無ければ、追い回されるところだったかもな。
「襲われなければ問題なしって事で、そのままスルーですね! もう何がいても、踏みつけちゃえばいいですよ!」
さっき踏んだの、ヘビだったんだねー。でも、追いかけてこないなら問題ないのです!
うふふ、これこそ偉大なLv差なのさー! 格上からは袋叩きにされる事もあるけども、今は私こそが格上なのですよ!
ヤツメウナギ : 踏み付けるのを避けずに、そのまま突っ込むかー。まぁLv差があるからこそ出来る、強引な突破方法だな。
神奈月 : ですなー。まぁ移動だけが目的なら、それが早いか。
G : 踏み潰したところで、追い付けなければ意味がないからな!
真実とは何か : 疑問の余地もない、真実なのである!
「そうですよねー!」
今の私は、この平原で最強だもん! 雑魚達よ、私の為に道を開けなさーい!
金金金 : 楽しそうな笑みを浮かべる狐っ娘アバター。まぁこうやって走るのが気持ちいいのは分かる。
神奈月 : リアルじゃ体感出来ない状態だしな! これぞ、Lv差で襲われなくなったエリアでの醍醐味!
サツキ : だよねー! サクラちゃん、どんどんいっけー!
「はーい! どうせならもっと速度がほしいですけど……あ、移動速度を上げるなら、これもありですか! 一旦止まります!」
ズサっと止まって、疾走中止! このスキルを使ってる最中だと、別のスキルの発動が出来ないもんね!
金金金 : 何か思いついたように笑みを浮かべる狐っ娘アバター。あー、なんとなく想像はついた。
ミツルギ : 多分、あれだろうなー。移動に使うのも確かにありか。
「これを使っていきましょう! 『縄張り』!」
ササっと縄張りを展開してしまうのさー! うふふ、マップに大量の赤い印は出たけど、見事なほどに私から逃げていってるね! これで私の行く手を阻むものはいなーい!
水無月 : おー! 縄張りで移動速度を上げるんだ!
富岳 : まぁ割とよくある縄張りの使い方だな。
チャガ : 北の端までは効果範囲には入り切ってないが、そこまでの移動速度はかなり上がるだろうよ。
「ふっふっふ、狙いはその通りですね! それじゃ改めて『疾走』です!」
いやっほー! かなり移動が速くなったし、邪魔するものはどこにもいないのですよ! うふふ、森の中でも、草むらでも、そのまま突っ切って走っていくのさー!
「あ、今度は小さな湖ですか! でも、そのまま水面を突っ走っていきましょう!」
水への適応進化もあるから、迂回する必要もなーし! このままの勢いで、走り抜けるのです! あ、水中に入っちゃった。うん、でも問題なし!
「あはは! 水の中を走れるのって、楽しいですね! 誰にも邪魔されずに、全力疾走ってのも楽しいですし!」
いぇーい! 躓きそうな石や木の根はジャンプして避けて、それ以外はそのまま一直線に進むのですよ! 転びそうな気配はないし、このまま縄張りの範囲の端まで走り抜けて――
「……え? いきなり先が途切れて……!?」
待って、待って、待って!? 高めの草の草むらが普通に続いてると思ったら、その先の足場がなかった!?
金金金 : あ、崖か。
神楽 : みたいだね?
「わわっ!? ぐふっ!」
うぅ……思ったより高くなくて、着地に失敗して顔から地面に突っ込んだー!? うがー! 気持ちよく走ってたのに、これって酷くないですかねー!?
水無月 : サクラちゃん、大丈夫?
「あ、大丈夫です! 朦朧にはなってないですし……でも、ここで崖……というか、段差があるとは思いませんでしたよ!」
起き上がって後ろを見てみれば、1メートルくらいの段差! 崖って程じゃないけど……むぅ、折角、気持ちよく走ってたのに!
ミナト : このくらいの高さなら、慌てずに対処すればちゃんと着地は出来るよ?
咲夜 : 今回はミナトさんのとんでもな無茶振りじゃなくて、順当に可能な内容だぞ!
イガイガ : まぁそうだな。普通にあの勢いでも、ちゃんとすれば跳び下りれる範囲だ。
富岳 : こういう段差は多い訳じゃないが、それでも平原は色んなエリアの特徴を持ってるからな。こういう地形もあって当然だぞ。
G : まぁ高めの草むらで視界が悪いってのはあったけど……そういう部分は慎重に進むべきだな。不意の地形の変化で、今みたいな事になる。
「……あはは、前方不注意でしたかねー? 確かにこのくらいの高さなら普通に降りれそうですし……次からは気を付けます!」
ちょっと走る事に夢中になり過ぎてた気はする! 躓かないように石や木の根には気を付けてたけど、足場そのものがすぐ目の前で無くなるのは気にしてなかったよ……。うん、そこは反省だー!
「でも、もう結構な距離は移動しましたね! あと少しで縄張りも抜けますし、次のエリアも目前ですよー!」
思いっきり転んじゃったとはいえ、思った以上に早く移動出来たのはいいよね! 今の私の最高速度、かなり速いんだ! もうこんなに進めるとは思わなかったもん!
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